12月10日、オープンワールドRPG「サイバーパンク」がついに発売された。
度重なる延期や、発売後の返金騒ぎなど、いろんな意味で話題にとなっているゲームではあるけど、今回そのサイバーパンクのPC版をクリアすることができたので、レビューをしていきたいと思う。
PS4とXbox向けのコンソール版は、現在適正化に向けて対応中(2020.12)
PC版については頻繁にバグが見受けられるものの、一定の水準はクリアしている。
サイバーパンク2077クリア後のレビュー
タイトル |
サイバーパンク2077 |
ジャンル |
FPS |
発売日 |
2020.12 |
プラットフォーム |
PlayStation4、Xbox One、 PC |
クリア時間 |
20~30時間 |
スコア |
80点 |
最適化不足で返金対応中のコンソール版、こちらの購入をオススメするのは現時点(2020.12)では止めておくけど、PC版については自信を持ってオススメできる。
とは言え、それでも無視できないほどにバグが見受けられるので、ある程度の耐性がある人向け。
それにPCでプレイするにも、それなりのスペックを要求されるので、こちらもハードルは低くない。
私はサイバーパンク2077をプレイするために、ゲーミングPCを買い替えた。それでもギリギリ。
今回はメインで使っているドスパラのゲーミングPC「ガレリアZG」のスペックについて、実際に自分で調べながら紹介をしていくことにする。 今までゲームレビュー記事をいくつか書いてきたけど、動作環境を載せていないことに気づいたので参考ページ[…]
どちらにせよ、プレイするまでの敷居が高いのは残念である。
舞台は2077年のナイトシティ
その景色はブレードランナーや攻殻機動隊を彷彿させ、まさにサイバーパンクな世界を味わえる。
ウィッチャーシリーズで有名なCD Projekt REDが手掛けたとあって、世界観の作り込みは流石。
だが…
生まれるのが1年早かった、未完の迷作
コロナの影響もあっただろう、延期による延期を得て、なんとか発売までこぎ着けたサイバーパンク2077。
しかし、やはり万全の状態ではなかったのか、お世辞にもポテンシャルをすべて引き出せているとは言い難い。
骨組みこそ完成はしているようだけど、肉付けが甘く、
数多のバグはクエスト進行のモチベを下げるし、NPCの挙動は数年前に発売されたGTA5と比べても見劣りする。
予算との兼ね合いや、ユーザーからのプレッシャーもあっただろうけど、もう少し開発期間を設けるべきだった。
もしくは、チュートリアル部分をアーリーアクセスなどで先行配信するなど、デバックの期間を設けていれば、また違った結果になったかもしれない。
今後のアップデートに期待したい。
アイテムが拾えなかったり、HUDが消えなかったりと、細かなバグが目立つ。
クエストの進行に関わるバグも報告されているようなので、こまめなセーブが欠かせない。
ナイトシティを行き来するNPCの群衆。
個性的な見た目が多く、ぱっと見は面白そうだけど、挙動はマネキンのようで生活感に欠ける。
これだったら、数年前に発売されたFallout3に出てくる町「メガトン」の方がまだ魅力があった。
ひとまずバグは置いといて、中身をレビュー
とまぁ、完成品とは言い難い状態で発売された本作。
しかし、だからといって決して駄作というわけではない。
発売から2週間ほどで私のプレイ時間は100時間を超えているし、現在も当ブログの更新を妨げるほどにハマり込んでいる。
バグが散見される現状でも、フルプライスで購入する価値はあると言えるだろう。
というわけで、本記事ではバグについての詳細は割愛させていただき、サイバーパンク2077のゲーム部分についてレビューをしていく。
サイバーパンク2077の世界を構築する会話
サイバーパンク2077の中でも大きな割合を占めるのが、選択式による会話。
何気ない会話でも3つから4つの選択肢が現れ、選んだセリフに相手は全力で反応を示す(フルボイス)
一人称視点のサイバーパンクにおいて、この会話シーンの没入感は素晴らしく、個性豊かかなNPCたちがどういった反応を示すのか、そこが気になってしょうがない。
単純に自分の感じたことを主人公のVに代弁してもらうもよし、結果(報酬)を優先して相手の裏をかくのも本作の醍醐味。
会話は情報収集の手段だけでなく、ストーリーの分岐にも大きく影響を及ぼし、時には生死に関わることも少なくない。
一度のプレイですべてのパターンを網羅するのは不可能なので、2週目はあえて違う選択をしていく楽しみもある。
一人称視点による没入感が高く、まさに今そこに自分がいるような感覚になる。
面白いのは、選択肢が一つしかないのにプレイヤーへ選択を迫られるパターンがあること。
まぁよくよく考えると手間が増えて面倒くさいだけなんだけど、実際にプレイしている時はその世界観にのまれており、没入感を高めるのに一役買っていると言える。
自分好みにスタイルを変更できるアグレッシブな戦闘
サイバーパンクでは、スキルやパークにレベルポイントを割り振ることで、かなり尖ったキャラクターを作ることができる。
肉弾戦重視の脳筋プレイや、電脳戦特化のハッカープレイ、刀を使ったニンジャプレイなど、まさに変幻自在。
各ミッションの攻略も、正面から強行突破も出来るし、ステルスで最深部までひっそりと忍び込むことも出来る。
特に目新しいシステムというわけではないけど、RPGゲームにおいて、キャラになりきるには重要な要素となる。
武器以外にもサイバーウェアによる強化も可能。
ステータスの強化や、腕にロケットランチャーを仕込んだりもできる。
スキル次第では拳一つでの攻略も可能かもしれない。
車・武器・建物、とにかく全部かっこいい
これは好みによる部分も大きいけど、サイバーパンク2077の世界観やデザインは、
武器に防具、ナイトシティの外観や、車にバイクまで、その全てがかなり高い完成度を誇っている。
確かにサイバーパンク2077以外にも、カッコいい武器が登場する作品は数多く存在する。
しかし、このクオリティでこの規模のオープンワールドを、ここまで自由に駆け回れる作品は少ないはず。
数年前、Falloutに数々のModを詰め込みながら目指していた、その理想形がここに存在する。
どこから見ても絵になるナイトシティの風景
フォトモードも実装済み。
人によってはストーリーよりもこっちにハマるかもしれない。
好みはあるものの、どれも素晴らしいデザイン
たらればポイント
それでは次に、実際にサイバーパンク2077を100時間以上プレイしてみて、少し気になったポイントを紹介してみる。
キアヌ・リーヴス演じるジョニー・シルヴァーハンド
俳優のキアヌ・リーヴスが演じることでも話題となった、ジョニー・シルヴァーハンド。
どういった形で主人公とジョニーが絡むのかは省略するけど、サイバーパンク2077のもう一人の主人公とも呼んでも過言ではない。
私はサイバーパンク2077をプレイするまで、ジョニーの役どころは、所謂ちょい役だと思っていた。
しかしふたを開けてみると、
しかも、ジョニーのキャラ設定は結構なクソ野郎で、主人公のVと対立することも少なくない。
個人的にキアヌ・リーヴスは、”やさしさ”や”クール”なイメージが強いため、今回のように出てくるたびに喧嘩するような設定だと、どうしてもギャップを感じてしまう。
映画「ジョン・ウィック」や「マトリックス」のような、スタイリッシュで落ち着きのあるキアヌ・リーヴスを期待すると、私のようにギャップに苦しむかもしれない。
カスタマイズ性の低さ
オープンワールドよろしく、サイバーパンク2077には様々なアイテムが登場するんだけど、現時点でそのカスタマイズ性はかなり低いと言える。
武器のアタッチメントも、サプレッサーの取り付けとサイトの変更だけ。
乗り物にいたっては、
元々のデザインが高水準で作られているため、人によってはカスタマイズの必要性を感じない人もいるだろう。
しかし、こういった細かい所でゲームへの没入感に差が出てきてしまう。
FPSであるサイバーパンク2077は、プレイ中はほとんど一人称視点のため、キャラクターの姿を見る機会は少ない。
それでもいちいち服装にこだわる、そんな私のようなプレイヤーには少し物足りないと言える。
敵のバリエーションが少ない
世界観との兼ね合いもあるかもしれないけど、サイバーパンク2077に登場する敵のバリエーションはかなり少ない。
ほとんどが人型サイズのギャング、もしくはサイボーグ。
ボスと雑魚の見分けもつきにくいため、気が付いたら倒していた、なんてこともザラである。
ウィッチャーシリーズのように空想上の怪物を出すのは難しいとしても、もう少し遊び心は欲しかった。
発展途上でもプレイする価値はある
致命的なバグを差し引いたとしても、少なからず気になるポイントが目立つサイバーパンク2077。
しかし、骨格はしっかりと出来上がっているため、これからのアップデートで化ける可能性は十分にある。
なにより、このサイバーパンクな世界を体験できるだけでもお金を出す価値はあるだろう。
一人称視点によるマニアックな世界、YouTubeで見るのと実際にプレイするのでは、また違った体験になるはずである。