Steamで配信中の「Half-Life Aliyx」をプレイしたのでレビューをしていく。
VR専用ゲームということで、今回はOculus Quest 2改めMeta QuestをPCへ接続して遊ぶことに。
画質や指の識別数など、ハイスペVR機と比べるといくつか体験しきれていない演出がある点はご了承いただきたい。
Meta(旧称Facebook)から発売されているMeta Quest 2(旧Oculus Quest 2) ※2022年よりFacebookの社名変更に伴い、Oculusシリーズのブランド名もMetaへと変更された。 バーチャルリアリ[…]
Half-Life Alyxをレビュー【70点】
Meta QuestとSteamをリンクするのに少し手間取りつつも、なんとか無事にプレイすることに成功。
ちなみにHalf-Lifeシリーズを遊ぶのは本作が初めて。
初見のためか、それとも元々ストーリーがそうなのかわからないけど、序盤は置いてけぼりを食らいがち。(VRの操作に慣れるのに必死で話が入りにくいのもあるが…)
それでもプレイに支障が出るほどではなく、問題なく楽しむことはできた。
噂通りのハイクオリティ画質
プロモーション通り、ゲームデザインのクオリティはかなりのハイレベル。
開始早々、決して歓迎はされていない状況と共に、美しいHalf-Lifeの世界が目の前に広がる。
PCと接続する都合上、どうしても没入感は削がれてしまうけど、VRでこのレベルのゲームが遊べるのは素晴らしい。
進行を妨げない程度の「シューティング・ホラー・パズル」要素が相まって、
VRゲームとしても、武器や回復薬はもちろん、ステージに転がっているゴミまで、その殆どを実際に拾ったり操作することが可能。(Meta Questのコントローラーだと指を2本までしか識別してくれないのが残念)
正直、ゴミを掴んだところで特に意味はないけど(敵に投げつけたりはできる)、あくまで大作VRゲームの余裕の演出といったところ。
緊張感のあるVRシューティング
過去作が人気FPSゲームということもあってか、本作もしっかりとシューティング要素の濃い内容となっている。
クリーチャー戦だけでなく、人間との銃撃戦も用意されている。
カバーポジションについての撃ち合いや、グレネードを使った牽制など、かなり本格的な戦闘を堪能できた。
また、全体的にドンヨリとした閉所空間での戦闘が多く、バイオハザードやデッドスペースを彷彿とさせるゲームデザインが見受けられる。(怖さはかなりマイルドだが…)
近づかれないと攻撃されないような敵でも、実際にコントローラーを構えてエイムしないと弾が当たらないため、油断をしていると痛い目にあうことも。この緊張感はVRならでは。
ただ、3畳ほどの書斎スペースでイスに座って遊んでいると、カバーや除き込みなどが上手くできずにストレスを感じることも多かった。
リビングなど広めのスペースであれば派手な銃撃戦ももっと楽しめたかもしれないけど、わざわざゲーミングPCをリビングまで運ぶのは気が引けるところではある。
ギリギリのサバイバル感が心地よい
本作ではマガジンに弾が残っている状態でリロードをすると、残弾をそのまま捨てる仕様になっており、何も考えずにリロードしているとすぐに弾不足になってしまう。
かと言って、中途半端な残弾で探索を続けると、いざという時にリロードが間に合わないことも。
「この先は敵が出そうだからリロードしておくか…。」
「あと3発、倒せても1体か…」など、状況に合わせたリソース管理が必要になる。
残弾数を気にしながら狭い通路を慎重に探索していく、ほどよいサバイバル感は個人的にかなり好みだった。
また、ゲームを進めていくことで武器のアップグレードも可能になり、マガジン容量の増加やリフレックスサイトの追加など、適度なやり込み要素も備わっている。
このRPG的なところも、バイオハザード4やデッドスペースシリーズが好きなプレイヤーならハマるはず。
課題点
ホラー寄りのサバイバルVRシューティングゲームとして、かなり完成度の高い本作。
しかし、気になる点もあったので紹介しておく。
VR酔い
普段からFPSゲームを遊んでゲーム酔いなんてしたことないんだけど、
主人公は動くのにプレイヤーは座ったまま、という三半規管の感覚のずれからくるものだけど、フォトリアルで繊細な画面が売りの本作では特に酷く感じてしまう。
ただ、これは移動方法を歩行モード(FPSと同じく、右スティックを倒すと移動)で遊んだ場合の話。
VRゲームはその性質上、どうしてもゲーム酔いを誘発しやすいので、対策としてワープ移動(右スティックで移動先を指定し、そこへ瞬間移動する方法)が採用されているケースが多い。
本作もワープ移動には対応しているため、それで遊ぶとゲーム酔いはかなり軽減することができた。
しかし、移動や探索が多い本作では、ワープだと微妙な距離調整が難しかったりと、ストレスを感じる場面も多くなる。
とくにパズル要素など、あと一歩の移動がもどかしく、座ってのプレイだとかなり疲れてしまった。
ゲームが全体的に歩行移動向けに作られているのに、それだとVR酔いで遊べず、ワープ移動だと遊びにくいというジレンマ。
ここはVRゲーム全体の課題点と言えるかもしれない…。
VR酔い対策のグラビティグローブが良い感じ
本作にはグラビティグローブという装備が登場する。
これは、離れた場所にあるアイテムへ狙いを定めることで、手元まで引き寄せることができるアイテム。
過去作ではグラビティガンという武器も登場しており、この引き寄せアクションはシリーズを代表する要素らしい。
このグラビティグローブを活用することで、最低限の移動でアイテムの取得が可能になる。
ターゲットに狙いを定めて、手首を上手くスナップさせながらコントローラーのグリップを操作する。
この操作がなかなかに心地よく、まるでキャッチボールでもしているような感覚になる。
そしてこのグラビティグローブのおかげで、プレイヤーの移動を最低限に抑えつつ、アイテムの回収をしながら探索をすることができるようになっている。
シリーズの伝統を生かしつつ、さらにVR酔いの対策も賄える、一石二鳥のシステムである。
Half-Life Alyxをレビュー・まとめ
ほどよいホラー要素と、ほどよいサバイバルシューティング要素。
Half-Lifeは、それらが絶妙にマッチした素晴らしいVRゲームと言える。
パズルのバリエーションが少なく、VR操作にストレスを感じる部分もあるけど、総じて満足の行くゲームに仕上がっている。
集中して遊ぶと疲れてしまうので、休日に思いっきり遊ぶというよりは、毎日1時間くらい休憩しながら遊ぶのに丁度いいかもしれない。