2021年2月、「仁王2Complete Edition」のPC版が発売された。
早速プレイしてみたのでレビューをしていくことにする。
仁王2Complete Editionをレビュー
タイトル |
仁王2 Complete Edition |
ジャンル |
ダーク戦国アクションRPG |
発売日 |
2020.3 |
プラットフォーム |
PlayStation4/PC |
クリア時間 |
50時間~ |
スコア |
85点 |
前作「仁王」から引き続き、戦国時代が舞台となる。
ストーリーの時間軸は別なので本作から開始しても特に問題はない。
史実をアレンジしたオリジナルストーリーは誰でも楽しむ事ができるはず。
織田信長や秀吉(藤吉郎)を中心に、戦国時代を代表する武士が登場する。
桶狭間や本能寺など、一度は聞いたことがある歴史の大戦に、妖怪の要素が上手く溶け込んでいる。
ファンタジーではあるけど、無双シリーズのようなキャピキャピ(死語)した世界ではなく、大人の鑑賞にも耐えれるストーリーは前作と変わらない。
「戦国死にゲー」油断すれば死あるのみ
前作もプレイしたことがあるので驚きはしないけど、
ボスだけでなく、そこら辺に湧いてる雑魚まで、そのすべてが本気で殺しにかかってくる。
身長の倍はあろうかという巨体に潰されるのは勿論、鍬(くわ)のような農具で叩かれても致命傷となりうる。
ヒットアンドアウェイで地道に攻略していても、一瞬の油断が命取りとなる。
”RPG”のように装備やスキルを強化し、”死にゲー”のように繰り返し挑戦し敵の動きを覚える。
最初は理不尽な難易度にも感じるけど、そこを乗り越えたときの達成感もひとしお。
個人的にはプレイスキルだけで攻略するのは厳しかったため、レベル上げを重視してゴリ押しで乗り切るような場面も多かった。
ある程度レベルを上げれば体力に物を言わせてゴリ押しできない事もない。
腕に自身がある人は、劣ったレベルをプレイスキルでカバーする事もできるだろう。
複雑な成長要素は好みが分かれる
本作では、プレイヤーレベル以外にも装備レベルや、武器スキル、恩恵スキルなど、様々な成長要素が存在する。
前作をプレイ済みであれば何となく理解はできるけど、初見プレイヤーには項目が多すぎて戸惑うかもしれない。
妖技や武器ごとに、それぞれスキルが細かく分かれるため理解するのに時間がかかる。
体力一つ上げるにしても、項目があっちこっち別れていて面倒くさい。
やりこみ要素と言えば聞こえはいいけど、結局は小分けにしているだけなので、効果がいまいち実感しにくいのもマイナスポイント。
とは言え、複雑なスキル分けは個性を出しやすく、それぞれ思い描いたキャラクターが作成できるのは面白い。
剣技を極めた猛将だけでなく、忍術、陰陽師、格闘技と何でもござれ。
自分でキャラの設定を考えるのが好きな人には、何周でも楽しめるボリュームになり得るだろう。
「すけびと」で気軽に共闘
本作では、気軽に共闘が楽しめる「すけびと」と呼ばれるシステムが追加された。
道中に配置された”義刃塚”から、オンライン情報を元にした助太刀(NPC)を呼ぶことができる。
ランダムに設置された義刃塚から助太刀を呼べる。
前作では、協力プレイをするには”まれびと(オンラインプレイヤー)”を探すしかなかった。
それに対して「すけびと」は操作自体はNPCが行うため、実質オフラインで楽しむことができる(情報の読み込みにオンライン環境は必要)
足を引っ張ったらどうしようといった気疲れをする事もなく、私のようなコミュ障にはとてもありがたいシステムと言える。
ただ、戦闘AIはそこまで賢くなく、壁に向かって突進し続けたりするのはご愛嬌。
難易度も「すけびと」ありき
前述のように、本作の戦闘難易度はかなり高め。
その理由の一つが、異常に高い敵の攻撃力なんだけど、恐らくこれは「すけびと(まれびと)」を前提としたものだと思われる。
仁王のようなゲームだと、囮がいるだけで難易度がグッと下がるので、そのバランス調整が今回の高すぎる攻撃力と言える。
好みの分かれるところではあるけど、共闘ありきと割り切ってしまえば、これはこれで面白い。
ビルド研究とまではいかないけど、他のキャラや装備を見れるだけでも楽しめる。
進化したキャラエディット機能
前作からの大きな変更点として、キャラエディットが挙げられる。
今回は半妖と呼ばれるオリジナルの人物が主人公となるため、自分だけのキャラクターをカスタマイズする事ができるようになった。
前作のウィリアムもカッコよかったけど、やはり自分の作ったキャラクターは愛着が湧きやすい。
性別から体格、化粧など細かな設定が可能。
パーツごとにプリセットが用意されているため、適当に選んでもそこそこカッコいい(可愛い)キャラが作れる。
しかもキャラの見た目は、性別も含めてゲーム中いつでも変更できる。洋ゲーだとここまで配慮してくれる作品は少ない。
さすがデッドオアアライブの開発元。キャラゲーに求めるものを心得ている。
形写しで常にお気に入りの装備で戦える
せっかくカッコいいキャラが作れても、装備がダサくては意味がない。
装備は戦闘中だけでなくイベントシーンでも反映されるため、没入感を高めるのにも重要な要素である。
見た目で装備を選ぶと性能がダウンしてしまうことも。
そこで役立つのが形写しという機能。
形写しを利用することで、今使っている装備から好きな装備へと、見た目だけ上書きすることができる。(モンハンの重ね着のようなもの)
形写しの元になる装備を手に入れる必要はあるけど、これを使えば中身はゴリゴリの重装備、でも見た目はくノ一!みたいな事も出来たりする。
装備が揃いにくい序盤、下半身だけ何故か軽装備みたいな状況を隠すことができる。
形写しは鍛冶屋に行けばいつでも変更できる。実際に装備を鍛造するのに比べてコストも割安。
ただ、最序盤に限ってはどんどんと強い装備が手に入るので、形写しをする暇もないかもしれない。
まぁここは装備集めの楽しみでもあるので割り切るしかないだろう。
ハマる人はハマる、フォトモード
せっかく完成した自分だけの主人公。後ろから眺めるだけでは勿体ない。
本作では、最近流行りのフォトモードもしっかりと実装されているので、いつでもマイキャラの撮影会を楽しむことができる。
人によってはゲームよりキャラ作りと撮影がメインになる人もいるかもしれない。
カメラアングルはもちろん、照明や表情まで細かく設定ができる。
カメラ操作が独特で慣れるのに時間がかかるのと、一時停止中にモーション変更が出来ないのは残念。
攻撃の瞬間が取りたければ、実際に攻撃をしながらフォトモードを起動しないといけないので操作性は悪い。
ゲーム中に本格的な撮影が楽しめる「フォトモード」 フォトモードを起動することで、ゲーム時間を一時停止、カメラアングルや被写界深度の調整、フィルターやロゴによるデコレーションなど、何気ないワンシーンを自分の思いのままに加工することができ[…]
「仁王2 Complete Edition」レビュー・まとめ
好きな装備で、好きな武器を使って、好きなスタイルで戦える。
難易度の敷居は高いけど、プレイヤーのわがままに答えてくれる豊富なカスタマイズ性は流石。
クリア後の装備の厳選や、はたまたフォトモードの絶景めぐりなど、かなり濃厚なボリュームになっている。
しかもComplete EditionならDLCも付いてくる。
2,3日でクリア出来るような薄い内容ではないので、それなりの覚悟を持って購入することをオススメする。