尖ったゲーム性が心地よい!「DEATH STRANDING PC」をレビュー

メタルギアシリーズで有名な小島秀夫監督、コジマプロダクションとして独立後の初タイトルである「DEATH STRANDING」。

2020.7.14にPC版が発売(PS4版は2019.11.8に発売)、先日ようやくクリアすることが出来たのでレビューしてみることにする。

※全編通してのスクリーンショットを公開しているのでネタバレに注意。

 

DEATH STRANDING PC版 クリア後レビュー

タイトル
デス・ストランディング
ジャンル
アクションゲーム
発売日
2019.11
プラットフォーム
PlayStation4、PC
クリア時間
30~50時間
スコア
80点

コジマワールド全開、入り口は狭いが懐は広い

 

小島監督がコナミを退社、独立後初のタイトルであるDEATH STRANDING(以下デススト)。

本作もコジマワールドにどっぷりと浸ることのできる、マニアックな作品に仕上がっている。

 

本作の特長を挙げると、まずはその莫大な情報量で構成される世界観だろう。

メインのストーリーとしては、アメリカを横断し世界を救うという分かりやすい本筋が見える。

しかし、そこにストランディング(座礁)を基軸としたSFの設定が肉付けされており、簡単には理解させてもらえないマニアックな世界が出来上がっている。

 

▲ アメリカ再建のため、分断された拠点を繋ぐのが目的となる。

 

▲ プレイヤーに理解しようとする気がなければ、最後まで謎のまま終わる設定も多い。

 

デスストというゲームにキャッチーさなどは微塵もなく、賛否上等の自己主張の強い作品と言える。

そのためハマる人はとことんハマるが、ハマらない人には一つも面白さが伝わらない可能性がある。

 

▲ 映画好きによる、映画好きのためのゲーム。作り込まれた演出をスキップしてしまうのは勿体ない。

 

▲ 広大なオープンワールドを舞台に、アメリカ再建を目指す。ファストトラベルも出来ないことはないが、ミッションをクリアするためには拠点間の走破が必要となる。

 

本作をフルプライスで購入するにはかなりの勇気が必要かもしれない。

公式やレビュー記事を覗いてみても、荷物を背負ったノーマン・リーダスが山道を歩いているシーンがほとんどだからだ。

そこに面白さを凝縮したと言われても、にわかには信じがたいところ。

 

しかし実際にプレイしてみると、確かにこれがなかなか面白い。

正確に言うと「面白くなってくる」、だろうか。

 

荷物を配送するだけ、だがそれがいい

前項でも紹介したが、合わない人には全く合わないゲーム性だ。

無理してプレイする必要はないと思うが、それでもまずは何も考えず我武者羅に荷物を運んでみてほしい。

ゲームが進むにつれて、荷物運びが少しづつ楽になってくるため、気が付いたら止まらなくなっているかもしれない。

 

▲ 最初は荷物を運ぶだけで四苦八苦する。配送手段も限られているため、モチベーションが維持できずにここで挫折してしまうプレイヤーも多いかもしれない。

 

▲ しかしミッションをクリアするにつれ、サムの能力と共にプレイスキルも上がってくる。そうなれば後はこっちのもの。気が付いた時には、止め時を見失うぐらい楽しめているはず。

 

▲ 梯子やロープ、時には国道を作りながら道を開拓していく。持てる装備には限りがあるので、入念な準備と地形の読みが試される。

 

▲ トラックを使用した移動も可能だが、悪路が続くため歩きを強要される場面も多い。しかし、こういった豊富な移動手段がプレイヤーに選択肢を与えてくれるため、プレイしていて飽きがこない。

 

マップを見ながら、「ここまではトラックで行けるから、あとは歩きだな…。梯子も持っていくか。」と言った事前準備が必要になってくる。

そんな一手間をゲームとして楽しめる人はツボにハマるはず。

 

▲ 移動中は荷物の状態に気を使わなければならない。装備なども傷んできたら交換する必要が出てくる。

 

▲ とにもかくにもノーマン・リーダス好きにはたまらないゲームではある。

 

アクションは控えめ、しかし映画クオリティのバックグラウンドが戦闘を盛り上げる

小島監督のメタルギアシリーズと言えば、ステルスゲームの代名詞ですが、アクションゲームとしても素晴らしい作品だった。

特にCQCを使った接近戦や豊富に登場する銃など、マニア向けの要素が印象的。

 

しかし本作デスストのアクションパートは、少し控えめに設定されているようだ。

あくまでも配送や移動に主軸を置き、戦闘やステルスは味付けといったところ。

 

▲ 一応ステルスプレイも可能。伝説の配達人、あっという間に縛り上げる!

 

▲ ミュールと呼ばれる盗賊との戦闘。サムの荷物を奪いにくる。戦うか、回り道を行くかはプレイヤー次第。

 

アクションが控えめとは言え、しっかりとボス戦も用意されている。

しかも映画のような演出が場を盛り上げてくれるため、プレイヤーの期待が最高潮の状態で決戦に挑むことができる。

小島監督はそう言った漫画的というか、期待を裏切らない戦闘シークエンスをしっかりと準備してくれるため、常に次のボス戦を楽しみにゲームを進めることができる。

 

また、主要な登場人物を演じる俳優たち、彼らも素晴らしい演技を見せてくれる。

決してネームバリューだけではない、映画顔負けの演出を堪能することができるだろう。

 

▲ マッツ・ミケルセン演じる謎の男。CGからも伝わってくるカリスマ性がカッコ良すぎる。

 

▲ 寡黙な主人公サム。しかしその表情はまるでそこに本人が存在するかのよう。

 

緩い繋がりが心地いい。オンライン要素「ストランド・システム」

デスストは基本的にシングルプレイ専用だが、ストランド・システムという少し変わったオンライン要素を含んでいる。

簡単に説明をすると、自分のワールドにクラフトした建造物、例えばアイテムボックスやロープ、大型の観測塔から橋、さらには国道など、それらが他のプレイヤーのワールドに反映されるというシステムだ。

 

逆も然りで、自分のワールドにも見ず知らずのプレイヤーが建設したものが反映されたりする。

ここに橋があったらなぁというポイントに、他のプレイヤーが建築した橋が現れたりするわけだ。

 

それが面白いのか?

 

ずばり面白い。

デスストの広大なオープンワールドと相性もよく、人によってはミッションクリアの難易度にも影響が出る可能性もある。

オンラインの建造物には「いいね!」を送れるのだが、トラックが壊れそうになったところにセーフティハウスがあったりすると、助かった!ありがとー!と「いいね!」をつい押してしまう。

「いいね!」は通知として送られるが、送られたからと言ってとくにゲーム内に影響は出ない。

まさにSNSのそれと一緒で、送る側は感謝を簡単に伝えれるし、送られた側は単純に嬉しくなってしまう。

この「ゲームに影響が出ない」という所がポイントで、これのおかげで「いいね!」の取り合い、つまり立地の剥奪戦が起こらない、平和な繋がりを持てるわけだ。

この緩い繋がりがとても心地よく、ストレスフリーでゲームを楽しめる作りになっている。

 

▲ 遠回りをしなければいけない崖でも、橋があれば問題なく通過できる。感謝の気持ちは「いいね!」で伝えよう。

 

▲ 資源が大量に必要だが、国道を繋げることも可能だ。配送がうんと楽になるため、仲間から感謝されること間違いなし。

 

たらればポイント

それでは次に、個人的にここをもっと改善してくれたらなぁというポイントを紹介。

操作性

 

ゲームにおいて、操作が複雑だったり難しいのは理解できる。

そこには思い通りに操作できた時の達成感が生まれるから。

 

しかしデスストの場合は、単純に操作が分かりにくい所がいくつか見受けられた。

体重のコントロールや、装備の切り替え、建設物へのアクセスなど、操作ボタンに統一性がなかったり、長押しにもストレスを感じる場面がある。

おそらく操作性よりもUIデザインを優先した結果と思われるが、長時間プレイする上ではストレスが上回ってしまった。

ここはもう少しプレイヤーへの配慮をしてほしいところ。

 

発売当初は文字サイズが小さいと不満があったようだが、アップデートでサイズの変更が可能に。

こういったユーザーの要望に反応があるのはうれしい。

 

長セリフ

 

これも作風と言えば納得はできるののだが、あまりにもセリフが多いので、頭で整理するのに体力を消耗してしまう。

せっかく素晴らしい俳優を起用しているのだから、すべてをセリフで吐き出すのではなく、表情や動きを使った演出を取り入れたり、プレイヤーの考察が立ち入る隙を作ってもよかったのではないかなと。

 

▲ 大塚明夫が声優を務めるダイハードマン、主役を食うほどのセリフ量に驚く。メタルギアVの反動だろうか?

 

▲ 起用されている声優は有名どころばかり、ファンにとっては長セリフが逆に嬉しいかも。

 

DEATH STRANDING PC版 クリア後レビュー まとめ

と、まぁ私の文才ではなかなか魅力を伝えるのが難しい、癖のあるゲーム「DEATH STRANDING」。

人を選ぶ作品ではあるが、他に類を見ない傑作であるのは間違いない。

できればYou Tubeなど動画での前情報は避けてもらい、実際に自分で体験してみることをオススメする。

2020年の中でも記憶に残るゲームになることだろう。

 

\ 作中に登場するルーデンス・ストラップ /