DOOMシリーズの最新作『DOOM Eternal』
2020年のゲームオブザイヤーにノミネートされたりと、プレイしたことはなくても、タイトルは聞いたことがあるという人も多いだろう。
その『DOOM Eternal』が、XboxGamePassのラインナップに加わったので、さっそくプレイしてみることにした。
DOOM Eternal(ドゥーム エターナル)
タイトル |
DOOM Eternal |
ジャンル |
FPS |
発売日 |
2020.3 |
プラットフォーム |
PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series/Switch/PC |
クリア時間 |
未クリア |
スコア |
55点 |
前作の『DOOM』も高い評価を受けており、私も何年か前にクリア済みである。ステージを自分で作成できる「スナップマップ」が面白くて、そればっかりプレイしていた気がする。
そして今回、その続編である本作をプレイしたわけだが、結論から言うと「思いのほか楽しめなかった」というのが正直な感想である。
世間での評価も高く、確かに駄作というわけではない。しかし、今回は個人的に合わなかった部分が目立つ結果になってしまった。
本記事ではそういった気になる部分を紹介しながら、『DOOM Eternal』のレビューをしていくことにする。
DOOM Eternalのプレイレビュー
舞台はデーモンに侵略された地球。ドゥームスレイヤーと呼ばれる最強の戦士を操り、行く手を阻むデーモンを抹殺する。
敵の陣地に突っ込むという設定上、常に四面楚歌の戦闘が続くことになる。
とはいえ、『エイリアン』や『デッドスペース』のような、極限のSFサバイバルホラーとはジャンルが異なる。どちらかと言えば『デビルメイクライ』みたいな、スタイリッシュアクションゲームである。
明らかに”対人用”ではない武器を駆使し、片手でデーモンの頭蓋を握りつぶす。その豪快さが『DOOM Eternal』の売りだ。
容赦なく切り刻み、握りつぶす。悪即斬を地で行く姿は、まさにスレイヤーである。
無駄にギミックが可動する武器は、構えるだけでカッコいい。
アサルトライフル、ショットガン、プラズマライフル、ロケットランチャーなど、多種多様な武器を駆使し、デーモンを殲滅する。
前作『DOOM』の続編ではあるが、ストーリーはシンプルなので、本作からのプレイでも問題はないだろう。そもそも、ゲーセンのシューティングゲームのように、戦闘を楽しむべきゲームなので、「デーモンは悪いやつ、だから倒す」が分かればそれで十分である。
見た目は派手だが、その分操作も複雑
本作では、敵へのトドメの刺し方によって、得られる恩恵が変わってくる。
グローリーキル(近接攻撃)で倒せば体力を回復することができ、チェーンソーで切り裂けば弾薬が、火炎放射器で燃やした敵からはアーマーが補充できる。
つまり戦って回復、戦って補充の繰り返しが基本となる。
撃つ→殴る(回復)→撃つ→斬る(補充)→撃つ→燃やす(回復)と、慣れればリズムゲーのような感覚で戦える
このシステムをプレイヤーに活用させるためだろう、本作では所持弾数が少なめに設定されており、弾数管理に常に気を使わなければならない。
これが中々にやっかいで、ゲームの難易度を底上げしてしまっている。
戦闘中は、豊富な武器を切り替えながら戦うのだが、プレイヤーが「次はこれを使おうかな」と選ぶのではなく、弾がないから「これを使わなければならない」という状況が続く。
チェーンソーの使用回数も上限がある(時間回復)ため、トリガーハッピーだとすぐに詰まってしまう。
私のような下手っぴゲーマーが、You Tubeや広告動画の華麗な戦闘シーンを期待して購入してしまうと、ギャップに苦しむかもしれないので、注意が必要である。
体力、アーマー、弾薬をバランスよく管理する必要があるため、かなりの集中力が必要となる
とは言え、ある程度戦闘をこなすと慣れてはくるだろう。寧ろ難易度が高い分、やりがいを感じる場面も多くなる。
本作の評価が高い理由にも、プレイスキルの上達に比例して爽快感が増す、といったものが多いようだ。
勢いを削ぐアスレチック要素
一通り戦闘が終わり、ステージを移動をする。すると、ジャンプを駆使しながら進むアスレチック系ステージが出てくる。
派手な戦闘のクールダウンの意味合いがあるのだろう。しかし、戦闘メインの本作においては、ペースを乱すだけの障害になってしまっている。
パズル要素や、目を凝らさないと見つけれない掴みポイントなど、明らかにプレイ時間の水増しである。
隠し要素など、ファンのためのものであれば納得はできる(実際そういった要素もある)が、本作ではメインステージの随所にこういったポイントが設けられており、強制的に参加しなければならない。
ゲームの性質上、早く銃を撃ちたくてたまらないのに、これではクールダウンどころかプレイ意欲が萎えてしまう。
二段ジャンプや空中ダッシュなど、機動力を活かして攻略していくのだが、正直面倒なだけである。
場所によっては、ヒントが少なく詰まってしまいそうになることも。
一昔前の洋ゲーのような、不親切な謎解き。アドベンチャーゲームというわけでもないので、謎を解いても達成感は低めだ。
先に進めなくなったら、遠慮せずに攻略情報をググったほうがいいだろう。本作の醍醐味は戦闘であって、謎解きではない。
シンプルなストーリーが災いして、クリアには至らなかった
この手のゲームは、ストーリーよりも戦闘が楽しければそれでいい。
その点、本作のストーリーは「デーモンを殲滅し、地球を救う」というシンプルなもので、ツボを押さえている。
しかし、上記のパズルやアスレチック要素により、無駄に箸休めのポイントが存在してしまっている。そうなると、もう一度ゲームを起動するには、それなりの魅力的なストーリーが必要になるのだ。
先が気にならないまま、アドレナリンが低下してしまうと、よっぽど戦闘が楽しくなければモチベーションは維持できないだろう。
各個撃破しながらデーモンを追い詰める、シンプルなストーリー
魅力ある敵が多数登場するが、それだけではモチベーションが続かない…
しかし、流石はAAAタイトルだけあって、完成度はかなりのものである。今回レビュー記事を執筆するにあたって、プレイ動画を見返してみたのだが、見てると何故かプレイしたくなってくる。ビジュアル面の魅力で言えば、ほぼ満点と言えるだろう。
今ならサブスクのXboxGamePassでプレイすることができるので、気になる人は冒頭だけでもプレイしてみてもいいかもしれない。ヘヴィメタルが響き渡るオープニングは、一見の価値ありだ。
カッコよすぎるドゥームスレイヤー、マッドサイエンティストチックでユニークな敵たち、スキルアップなどRPGのような要素あり、ハマる人はハマる。そんなゲームである。