「オリとくらやみの森」の続編である「Ori and the Will of the Wisps」をクリアしたのでレビュー。
その見た目とは裏腹にやりごたえのある難易度と、捻りの利いたストーリーが素晴らしい、まさに神ゲーと呼べる作品に仕上がっていた。
※全編通してのスクリーンショットを公開しているのでネタバレに注意。
Ori and the Will of the Wisps のクリア後レビュー
タイトル |
Ori and the Will of the Wisps |
ジャンル |
メトロイドヴァニア |
発売日 |
2020.3 |
プラットフォーム |
Xbox One/PC/switch |
クリア時間 |
10~15時間 |
スコア |
95点 |
・どんどん楽しくなる成長要素。
・ストレス皆無のリトライ性。
前作の『オリとくらやみの森』は2015年に発売。
私は今作『Ori and the Will of the Wisps』がOriシリーズ初プレイとなる。
ストーリーは絵本のようにシンプルで誰でも楽しめる作りになっており、本作から始めても楽しさを損なうことはなかった。
それにシンプルなストーリーの中にも随所で捻りをきかせており、素晴らしい音楽と共に驚きや感動を与えてくれる。
ここは本当にオススメできるポイントなので実際にプレイをして体験してもらいたいところ。
ジブリを彷彿とさせる手描きのようなビジュアル。
雰囲気ゲーとしてもかなり完成されており、奥行きを感じさせる神秘的な風景は見ているだけで楽しめる。
まさに絵本の世界に迷い込んだような不思議な世界観。
ちなみに前作『オリとくらやみの森』もかなり高い評価を受けているようなので、気になる人は先にプレイしてみるのもいいかも。
進めば進むほど面白くなっていくオリのアクション
次に紹介するのは主人公オリのアクション。
最初こそジャンプくらいしか出来ないけど、ストーリーを追うごとにオリのアクションがどんどんと増えていく。
2段ジャンプ、剣撃、弓、ダッシュ、グラップル、飛行など…
ステージのギミックに合わせてオリの行動範囲が増えていくため、プレイが単調になりにくい。
私は本作をプレイする上で前情報をほとんど仕入れていなかったのだが、まさかここまでアクション色が強いとは思っていなかった。
マップをジャンプしながら移動するだけのゲームと思ったら大間違いだ。
近距離攻撃だけでなく、弓を使った遠距離攻撃も可能。
ステージギミックに合わせてオリも強くなっていく。
成長の過程についてもよく考えられており、今できるアクションに飽きてくるとステージの難易度が上がり、それを攻略するため次のアクションが増える。
それに比例して操作ボタンもどんどん増えていくため、プレイヤーのスキルも上げる必要が出てくる。
スキルが増えてくると強敵との戦闘にも爽快感が生まれる。
ギミックのバランスが絶妙でオリと共にプレイヤーも成長できる。
ストレスを感じさせないバランス調整が素晴らしい
その見た目からカジュアル向けに見えるけど(実際に私もプレイするまで勘違いしていた)、本作の難易度は決して簡単とは言えない。
多様なアクションを使ったパズル要素や、動きを覚えないと簡単に死んでしまうボス戦など、脳筋プレイでのクリアは難しく試行錯誤を繰り返してプレイスキルを上げていく必要がある。
初見殺しは当たり前。繰り返しプレイし敵の動きを覚えよう。
アクションが苦手な人のためにイージーモードも用意されてはいるけど、パズルなどの謎解きに最低限のプレイスキルは要求される。
パズルなども事前にヒントが用意されているわけではなく、失敗を繰り返しながら少しづつ前進する必要がある。
本作の素晴らしいところは、その絶妙な難易度調整とトライ&エラーに耐えうるリトライ性。
即死要素のある謎解きも近くのチェックポイントからやり直すことができるため、これといったデメリットもない。
最初は絶対無理だと思っても繰り返すうちに何故かクリアできてしまう。努力が報われる丁度いいバランス。
同じくボス戦もロードを挟まず連戦できるため、死にながら敵の動きを覚えることができる。
どれもが理不尽な難易度などではなく、繰り返すうちに少しずづ前進することができる、かなり考えられた調整になっている。
絶妙なバランスがとても心地良い、ストレスフリーの死にゲーと言えるだろう。
たらればポイント
それでは次に、個人的にここをもっと改善してくれたらなぁというポイントを紹介。
・分かりにくいインターフェイス。
・面白みに欠けるサブクエスト。
攻撃判定
個人的な感覚だけど、普段あまりスクロールゲームをしない私からすれば、敵に触れるだけでダメージを受けるのに少し違和感を覚えた。
敵にはそれぞれ攻撃モーションが用意されており、それを予測してダッシュなどで避ける必要がある。
しかしボスなどの大型の敵の場合、避けた先で敵に触れるとそれだけでダメージを受けてしまう。
そのため敵とつかず離れずの微妙な操作が要求され、爽快感が失われる局面がいくつかあったのは残念だった。
特に序盤ではオリの回避能力が低く、思い通りに動かせず苦労した。
そもそもそれも含めて、上手くクリアすることに達成感を得れるのであれば問題はない。
インターフェイス
マップやアップグレードなども含めて、全体的にシステム面が雑なつくりなのも気になるところ。
現在地や目的地ぐらいはすぐにわかるものの、その他のチェックポイントやクエスト内容など直感的にアクセスできないのはマイナスポイント。
マップマーカーの意味が分かりにくく、道に迷うことも多々あった。
アップグレードなどでNPCへ話しかける場合でも、前置きが長く操作を誤った時のストレスも溜まってくる。
ここら辺は世界観よりもゲーム性を優先してほしかった。
サブクエスト
本作ではメインストーリーのほかにもNPCへ話しかけることでサブクエストが発生することがある。
内容としては定番のが多く、失くしたものを探してほしいといったものがほとんど。しかし、上記のシステム面の不満も相まってなかなかプレイ意欲が沸かない。そしてサブクエストを消化しないとマップがごちゃごちゃしてきて悪循環になる。
ストーリークリア後のやり込み要素にするなど、もう少し簡略化を図ってほしかった。
どこかで聞いたことのあるサブクエストが目立つ。
ファンタジー色豊かな世界観なのだから、もう少しぶっ飛んだクエストでもよかったかもしれない。
報酬は強力なものもあるため、報酬目当てだと楽しめるかも。
Ori and the Will of the Wisps のクリア後レビュー ・まとめ
本作はここ最近プレイしたゲームの中でも、フルプライスの購入に値する傑作と言える。
気になる人はYouTubeなどで実際にプレイ動画を視聴してみることをオススメする。パッケージから受ける印象とアクション性のギャップは要チェック。
注意点としては、最初の1時間はアクションスキルが少なく地味な印象を受けるため、中盤以降のアクションが出そろったところを見てみてほしい。
プラットフォームが今回プレイしたPC、それとXbox Oneしかないためプレイ人口が限られるのが残念でならない。
環境が許すのであれば是非とも手に取っていただきたい作品である。
※朗報 2020.9月よりSwitch版が配信中!