ギアーズシリーズの最新作「Gears 5」のストーリーモードをクリアしたのでレビューしてみる。
タイトルにもある通りGears of War(以下GoW)シリーズの5作目になる。※スピンオフは除く。
※全編通してのスクリーンショットを公開しているのでネタバレに注意。
Gears5のクリア後レビュー
タイトル |
Gears 5 |
ジャンル |
TPS |
発売日 |
2019.9 |
プラットフォーム |
Xbox One/PC |
クリア時間 |
10時間~15時間 |
スコア |
70点 |
・元祖カバーシューター!濃厚な撃ち合いが楽しめる。
・豊富なマルチプレイ。
なぜか今作から『Gears』とタイトルが省略されたけど、ストーリーはGoW4のエンディングを引き継ぐ形で始まる。
芯の部分まで楽しもうと思えば過去作のプレイは必須だけど、個人的にそこまで身構える必要はないように思えた。
シリーズ物だけど、それを理由にプレイしないのは勿体ない。
『トランスフォーマー』という映画を知っているだろうか?
マイケル・ベイ監督の有名な映画で、ストーリーそっちのけで爆破シーンやCGによる戦闘シーンを楽しむ、お気楽娯楽作品になっている。
本作もまさにそんな感じで、シリアスなシーンもあるものの基本的には銃撃爆撃による派手な破壊シーンが多く、難しいことは考えずプレイしているだけでとりあえず楽しめるはず。
操作性度外視で大画面でプレイするのがオススメ。
本作の主役は前作から登場したケイト。
前作からのメンツが多く登場するけど、ストーリーはいたってシンプル。
アトラクション感覚で、頭を空っぽにして楽しむことができるはず。
まさに映画クオリティ!ライトユーザーこそプレイするべき
シリーズ物、さらにマルチプレイもあると玄人向けのゲームかと思われがちだけど、何年かぶりにゲームをしてみたいと思い立った、そんなライトユーザーにこそ本作をプレイしてみてほしい。
難易度も初級、中級、上級そしてインセンと幅広く用意されており、初級であればストーリー重視でプレイすることも可能。
難易度は中級でプレイ。晩酌しながらの脳筋プレイでもクリアすることができた。
パズル要素も少ないので詰まることも少ない。
チャプターごとに分かれているので、仕事終わりのちょっとした時間に映画代わりにプレイするのもいいかもしれない。
動かしているだけなのに、映画のワンシーンのような見ごたえ。
初代から続くグラフィックの作り込みは流石。
フォトモードが欲しくなってくる。
大筋のストーリーはあるけど、1日1チャプター進めるぐらいの緩い感覚でOK。
ボリュームは10時間ほど。連休の暇つぶしにも丁度いい。
ギアーズ=カバーシューター
GoWと言えば、カバーシュータージャンルの先駆者。
その屈強な見た目とは裏腹に、意外に打たれ弱い主人公一行。
被弾を避けるため、敵との射線を考え物陰に隠れながら戦うのが基本となる。
戦闘はお互いが壁を挟んだ撃ち合いになりやすい。
撃ち合いが単調にならないように、突進型のスワームや爆撃武器、シールドでの防御など、多種多様な戦闘が楽しめるようになっており、最後まで飽きにくいよう設計されている。
カバーアクションはボタン操作で簡単に行え、ドシッとした重厚感を味わうことができる。
リロード中タイミングよくボタンを押すことで、装填された弾薬の威力がアップする「アクティブリロード」など、細かなアクセントが戦闘を面白くしてくれる。
チェーンソーにヘッドショット!グロテスクで痛快なアクション
ギアーズと言えばシリーズ伝統のチェーンソーによる四肢破壊演出。
北斗神拳よろしく必要以上にバラバラに弾け飛ぶ様子は、派手目のサウンドも相まってストレス発散にもってこいと言える。
痛々しいシーンや、目を背けたくなるような際どいシーンはほとんどないため手軽に楽しむこともできる。
近づいてきた敵はチェーンソーで真っ二つに。グロさより爽快さが上回る。
※どうしても苦手な人は設定で演出を抑えることも可能。
シリーズ通してのヘッドショットサウンドは中毒性あり。
広くて浅いセミオープンワールドは賛否両論か
これも最近の流行りか、例にもれずGears 5もオープンワールド化をしてきた。
あくまでストーリーは一本道で、要所要所に広めのステージを用意、サブクエストや捜索をしながらプレイしていくことになる。
広大なステージは好みの分かれるところだけど、スキフという陸上型ヨットのような乗り物で移動することができ、これが思いのほか快適で操作していて楽しい。
飽きてくるあたりで次のステージへ移動するためバランスも絶妙な調整と言える。※収集要素をすべて集めるのはしんどいかも。
移動手段であるスキフ。見た目に反して少々のことでは壊れない。
ただしせっかくの捜索も、手に入るアイテムにそこまで魅力がないのはマイナスポイント。
通常よりも性能が強化されたユニーク武器や、スキルアップポイントなどを手に入れることが出来るのだが、RPG要素が少ないため特に必要性を感じないのは残念だった。
ホラーチックなロケーションも。でも常にパートナーといるためそこまで怖くはない。
殆どの場合、ここで何があったのだろう?と言った考察をすることなく通り過ぎてしまう。勿体ない。
豊富なマルチプレイ
ストーリーと同じくらい、もしかするとそれ以上に力を入れているのが豊富なマルチプレイ。
対戦モードや、ウェーブ形式で襲い来る敵を殲滅するホードモード。さらに今作から新しく追加されたエスケープモード。
今回はストーリーモードのみのプレイ。多彩なマルチプレイを目的に本作を購入する人も多いのではないだろうか。
初代GoWは、まだ学生だった私にマルチプレイの楽しさを教えてくれた革新的なゲームだった。
しかし、シリーズを重ねるごとに複雑化されており、今ではとっつきにくくなってしまった印象もある。
たらればポイント
それでは次に、個人的にここをもっと改善してくれたらなぁというポイントを紹介。
気になったポイントはこちらの3つ。
・ストーリーモードのやり込み要素。
・見えない壁によるストレス。
吹き替えがなくなってしまった
過去作では吹き替えも収録されていたはずだけど、前作のGoW4から吹き替えの収録はなくなってしまった。
カットシーンこそ字幕を読む余裕はあるものの、移動シーンや戦闘シーンでの字幕確認は容易ではない。
どんな状況でも軽口をたたきながら乗り越える、それがGoWの魅力の一つでもあるため是非とも改善してもらいたいところ。
RPG要素などやり込み要素が少ない
Gears 5に出てくるロケーションはどこも素晴らしく、恐ろしくも美しい廃墟など探索意欲を湧き立たせる場所が豊富に存在する。
しかし前項でも紹介したように、本作ではロケーションを探索する意味合いが薄くなっており、作りこまれた風景をスルーしてしまうことが多いように思う。
部品やお金など、ランダム性のある収集要素があれば探索する楽しみが増えたかもしれない。
さらにインベントリ関連ももう少し改善をしてほしいところ。
ユニーク武器を拾っても、携帯できるメイン武器が2丁までなので取捨選択をしなければならない。
見えない壁
本作では障害物に張り付くことでカバーアクションができる。
そして低い壁であればそのまま簡単に乗り越えることも。
しかし同じような低い壁でも場所によっては乗り超えられなかったり、少しの段差でも飛び降りることができないところが見受けられた。
ドローンを使いながら道を切り開くシーン。
「それぐらいだったら壁をよじ登っていけばいいのに…」といった、映像が綺麗になったばかりに発生するゲームとリアルのギャップが目立ってしまっている。
目の前で味方がダウンしているのに、数十センチの段差があるばかりに遠回りをする姿は見ていて笑えない。
Gears5のクリア後レビュー・まとめ
・元祖カバーシューター!濃厚な撃ち合いが楽しめる。
・豊富なマルチプレイ。
映画さながらに、人類とローカスト(スワーム)との戦争を最前線で体験することができる「Gears 5」
GoWシリーズはもともとXboxの独占タイトルだったけど、本作はsteamでも販売されておりPCでプレイすることも可能。(XboxとPCとのクロスプレイにも対応している)
日本での人気がいまいちなのか、吹き替えがなくなったのは残念でならない。
このままでは日本での人気も平行線のままだろうから、次回作ではもっと新しいことに挑戦をしてもらいたいところ。