ゴーストリコン:ワイルドランズの続編、ゴーストリコン:ブレイクポイント(以下ブレイクポイント)をプレイしたのでレビューをしてみる。
発売当初は色々と不評もあったみたいだけど、Ubisoftのお家芸とも言える長期的なアップデートにより、最近の評価は結構高め。
ファーストインプレッションとしては、前作の世界観を上手く引き継ぎ、さらにプレイヤーの好みに合わせてゲームデザインを細かく調整できる、そんな間口が広い作品に思える。
個人的スコアも70点くらいで、セール中であれば「とりあえず買って損はしない」なかなかの良作となっている。
ゴーストリコン:ブレイクポイントをレビュー【70点】
前作に引き続き広大なオープンワールドが舞台となっており、寄り道をしながらのプレイだとメインクエストが全然進まない。
あまりのボリュームにクリアできる気が全くしないので、数十時間遊んだところでまずは記事を執筆することに。
そのため当記事を執筆時点ではメインクエストを未クリアでのレビューとなる点はご容赦いただきたい。
最高の特殊部隊ごっこゲーム
舞台はテロリストに占拠されたアウロア島。
かつての戦友ウォーカー(ジョン・バーンサル)によって、窮地に立たされたゴースト部隊の隊員ノマドが主人公となる。
TPSのミリタリー系オープンワールドゲームってことで、触った感触はメタルギアVとかに似ているかも。
装備も豊富に取り揃えられており、アタッチメントやペイントなどの自由度も高い。
個人的には、ヘッドショットが狙いやすいマークスマンスタイルの武器がオススメ。
武器や防具は実在のメーカー品が登場する。
お気に入りの装備をカスタマイズして特殊部隊ごっこをするにはもってこいのゲームとなっている。
ブレイクポイントの特徴
1.ハクスラ要素
前作から大きく変わったところでいうと、装備にレベル制が導入されたことだろうか。
クエストが進行するにつれ入手できる装備レベルが上がっていき、さらにレアリティに応じてランダムにスキルが付与される。
前作とは打って変わり、かなりハクスラチックなゲームになっている。
特に序盤では次々とレベルが更新されていくため、様々な種類の武器を使う動機づけになっていて面白い。
防具については着せ替え機能もあるので、
そんなハクスラにありがちな課題もクリア済み。
前作では拠点に保管されている武器を奪取したらそれっきりだったけど、本作では敵も装備をドロップするので、島を徘徊するテロリストがただの障害物でなくなっている。
さらに本作の凄いところは、
…といったプレイヤーに向けて、ハクスラ要素を完全オミットする機能が備わっているところ。
同じ銃なのにレベル差があったりスキル差があったりと、そういったRPG要素に違和感を感じるプレイヤーはハクスラ機能をまるごとオフにすることができる。
ブレイクポイントをRPGとして楽しみたいプレイヤーと、ミリタリー系サバイバルゲームとして楽しみたいプレイヤー、その両方に対応することが可能となっている点は素晴らしい。
2.カスタマイズ
前述のとおり、ハクスラ機能をプレイヤーの気分で簡単に切り替えることができるんだけど、本作のカスタマイズ機能はそれだけじゃない。
例えばゲームの難易度はもちろん、フィールドを徘徊するヘリやドローンの数など、ゲームバランスを左右する機能までプレイヤー次第で好きに変更ができたりする。
とにかく難易度を下げて無双プレイをしたいって人や、生きるか死ぬかのギリギリの難易度がいいけどヘリが飛び回るのはうぜぇって人など、かなり柔軟にゲームバランスを調整することができる。
HUDの設定も全画面もりもりに表示すれば、近未来のゴースト部隊よろしく、敵をマーキングをしながら華麗に殲滅することができるし、逆にHUDを非表示にすれば一人称視点で的確に射撃をしないといけないようなリアル寄りなプレイも楽しめる。
ミニマップやライフゲージにドロップアイテムまで、全て個別に表示の切り替えができたりと、ここまで細かく調整ができるゲームも珍しいはず。
ちなみに設定なんて面倒くさくてやってらんねーって人には、プリセット機能で簡単に設定することもできるので安心してほしい。
3.ゴースト部隊、再び。
前作では4人のゴースト部隊が軽口を叩きながら麻薬組織を壊滅させていくのが印象的だった。
しかしブレイクポイントでは一転、主人公ノマドの単独任務が基本となっている。
オンライン協力プレイを前提にしているためか、多勢に無勢のシーンが多く難易度は結構高めに設定されている印象。
戦闘が始まると四面楚歌になることも多く、世間での評価もあまり良くなかったらしい。
…が、バージョンアップによってシングルプレイでも最大3人のAIキャラを引き連れることができるようになった。
これで前作同様シングルプレイでもゴースト部隊を率いることができる。
残念ながらメインクエストへチームのメンバーが絡んでくることはないんだけど、それでもゲームの攻略が楽になるし移動時の没入感も変わってくる。
チームの人数も自由に(最大3人まで)変更ができ、装備もそれぞれ細かくカスタマイズできるので、自分だけのゴースト部隊を作成する楽しみ方もできる。
4.美しきアウロア島
前作の舞台となったボリビアも様々なステージで楽しませてくれたけど、ブレイクポイントのアウロア島もそれに負けず劣らずといった素晴らしい作り込み。
構成としてはボリビアと同じく市街地やジャングルがメインだけど、空気感というか「そこを歩いている」感じが前作からさらに増しているように感じる。
ジャングルにしても「とりあえず段差を作って木を植えました」というわけではなく、獣道とか草木のバランスとか、「なんかホントにこんな場所ありそう」って思わせる雰囲気作りが上手い。
ファストトラベルやヘリでの移動も便利でいいんだけど、
そんな気分にさせてくれる素晴らしいオープンワールドだった。
ブレイクポイントの気になるポイント
1.ストーリーが薄い
ブレイクポイントのストーリーとしては、アウロア島を占拠するテロリストの殲滅及び先住民の救出が主軸となる。
まだすべてを把握したわけじゃないけど、プレイ時間が30時間を超えた今の段階でも、
オープンワールドという性質上ストーリーがちぐはぐになりやすく、またオンラインでハクスラを楽しませようとした結果か、内容もかなり中途半端なものとなっている。
アウロア島という素晴らしい舞台は用意されているものの、登場する人物たちのキャラが薄く感情移入がしにくい。
プレイヤーのキャラエディットも災いしてか、会話シーンなども妙な違和感を感じることが多かった。
俳優のジョン・バーンサルもいい演技はしているけど、登場シーンがどれもドラマの面白くない箸休めのようなシーンばかりでいまいち盛り上がりに欠ける。
前作のようなボスキャラのバックボーンを伝えるシーンが少ない、もしくは伝わりにくいため、ストーリーを楽しむというよりは
そこがブレイクポイントの楽しみ方と言える。
2.クラウドサービスがうざい
ブレイクポイントではレインボーシックスのようなオンラインゲーム同様、クラウド上にデータを保存するため、
これがホントに煩わしいシステムとなっており、例えば通信障害やサーバーメンテナンスなどでオフライン状態になってしまうと、メニュー画面にすらたどり着けなくなってしまう(ゲームが起動できない)
マルチゲームならいざ知らず、ソロモードですら好きな時間にプレイできないのは苦痛でしかない。
中途半端にオンライン要素を取り込んでしまった弊害なんだろうけど、ここはもう少し対策をしてほしいところ。
まとめ
というわけで以上がブレイクポイントをプレイしてみてのレビューとなる。
冒頭でも書いたように発売当初は不具合も多くUbisoftに大打撃を与えるコケっぷりだったらしいけど、今の段階だったら普通に人におすすめできるくらいには仕上がっている。
ただ、アップデートが繰り返されているとはいえ、すでにプレイ人口は減っているだろうからオンライン目的の人はフルプライスでの購入は注意してほしい。
パッケージ版だったら中古でかなり安く出回っているのと、ダウンロード版でもセールで半値以下になったりする。
なのでタイミングが合った時にでもとりあえず積んでおくと、ちょっとした連休の暇つぶしに幸せになるかもしれない。