PS4、XBOX One、PCにて発売中のアクションRPG「Mortal Shell(モータルシェル)」
ソウルライクを意識しているだけあって、死にゲー好きにはたまらない作品に仕上がっている。
ただ、SEKIROや仁王のようなAAAタイトルと比べるとどうしても見劣りするので、購入前によく確認することをオススメする。
※全編通してのスクリーンショットを公開しているのでネタバレに注意。
モータルシェルのクリア後レビュー
タイトル |
Mortal Shell(モータルシェル) |
ジャンル |
アクションRPG |
発売日 |
2020.8 |
プラットフォーム |
PlayStation4、Xbox One、 PC |
クリア時間 |
10~20時間 |
スコア |
60点 |
プレイ動画はこちら
戦闘に特化した死にゲーRPG
▲ 中二病あふれる鎧(シェル)とお気に入りのメイス。
モータルシェルには4種類のシェル(戦闘スタイル)、あと同じく4種類のメイン武器が登場する。
キャラエディットのような機能はなく、また強化用のアビリティもシンプルなのでプレイヤーごとの特徴を出すのは難しい。
格ゲーのように、用意されたキャラ使って攻略を目指すことになる。
▲ 弱・強攻撃やパリィなど基本動作が丁寧に作られているので戦っていて楽しい。
時たま雑な挙動も見受けられるが、低音の効いた効果音が心地よく、丁寧に作られた戦闘は上質なAAAタイトルをプレイしている感覚になるはず。
▲ モータルシェルでは防御の代わりに「硬化」と呼ばれるアクションを使用して戦う。
モータルシェルのオリジナリティとしては、この「硬化」システムが挙げられる。
硬化中はほとんどの攻撃を無効化することができるのだが、一度硬化してしてしまうと再度使用するのに数秒の時間を要する。
本作を攻略する上で欠かすことのできない技術なので、まずは硬化を使った防御に慣れることをオススメする。
プレイヤースキルに依存する難易度はまさしくソウルライク
▲ 操作感はソウルライクと言われる仁王やコードヴェインとほぼ一緒。(本家ダークソウルは未プレイだが…)
基本はヒット&アウェイで敵を各個撃破しながら進んでいく。
そして難易度もかなり高い。死にながら敵の動きを覚える死にゲー。
前半はキャラステータスよりもプレイヤーのスキルを上げることが要求されるだろう。
難易度調整もできないので、苦手な人は挫折する可能性もあるので要注意。
戦闘に慣れてしまえばあとは後出しジャンケンの連続。この攻撃が来たらこれで反撃の集中力ゲーム。
同じことの繰り返しで後半は作業感が出てくるかもしれない。
そのため出来るだけ寄り道はせずにさっさとクリアするのが望ましい。が、後述する複雑な迷路のせいで嫌でも寄り道してしまう設計なのはいただけない。
リトライ性は低め
死にゲーは如何にストレスなくリトライ出来るかが重要。
しかし本作はチェックポイントのバランスが悪いのか探索するのが少し面倒くさい。
死にゲーにお馴染みのショートカットルートの配置が雑なのも気になる。
「死んだらやり直し」
この緊張感は大事だと思うが、死ぬのが面倒くさくなってしまうとプレイ意欲が萎えてしまうことも。
▲ リトライが面倒だと、戦うより逃げたほうがいい場面も出てきてしまう。
ジャンルは違うが『Ori and the Will of the Wisps』はその点本当に素晴らしいバランス調整だった。
死にゲーである以上、死ぬことにストレスを感じないような工夫はほしいところ。
ボリュームは値段相応
3000円というお手頃価格は魅力的
モータルシェルの定価は3,980円。今ならセールの対象になることが多く3,000円以下で購入することも可能だ。
実際に私もハロウィンセールを利用して2,464円で購入することができた。
しかし低価格ゆえにボリューム不足は否めない
モータルシェルの場合、ボリュームを補うために複雑な地形迷路と理不尽な難易度で水増しをしている。
『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』の時も思ったのだが、プレイ時間を増やすためだけにオープンワールドの探索を強要するのは勘弁してほしい。
スカイリムのような完成された世界だと歩いているだけで楽しいのだが、この手のアクションゲームでステージが広いのは苦痛でしかない。
しかも似たような風景と、攻撃がワンパターンの敵ばかりで飽きやすい。
▲ 死にゲーとオープンワールドを組み合わせるのはなかなか難しいようだ。
シナリオは皆無
メインクエストもシンプルで、目的の場所へ行ってボスを撃破するだけ。
オープンワールドではあるが、マップやクエストマーカーといったものはなく、チュートリアル後は手探りでメインクエストを進めることになる。
ストーリーもあってないようなものだが、アクションに比重を割いてシナリオを削ったのはむしろ英断と言える。
ただ、もう少し先に進みたくなるような動機はあってもよかったかも。広いマップで迷子になると何してんだ俺ってなる。
▲ 謎の巨人に協力をして、各エリアに存在するアイテムを回収するのがメインストーリーとなる。が、内容は最後までよく分からなかった。
ハクスラなどRPG要素もなし
マップを探索すると見つけることができる宝箱、この中身が消耗品ばかりで開ける楽しみがない。これが結構キツい。
この難易度だったら回復薬が出るだけでも嬉しいものだが、出てくるのは中途半端なバフアイテムがほとんど。
敵を倒しても得られるのは経験値のみ。もう少しハマる要素があってもよかったかも。
▲ モータルシェルの回復手段は乏しく、手に入るアイテムはバフアイテムなどが多い。
時間がない人には丁度いいボリューム
私の場合は10時間ほどで1週目をクリアすることができた。
モータルシェルのやりこみ要素と言えば装備を強化するぐらい。
その強化もビルドを組むような複雑なものではない。
▲ スキルツリーのような複雑なものはないので、難しく考えずゲームに集中することができる。
ガッツリ遊びたい人には明らかにボリューム不足だが、2〜3000円の出費でスキマ時間にチョロっとプレイするにはもってこいの作品と言える。
しかも難易度は馬鹿みたいに高いのでそれなりの達成感を得ることもできる。
一応「強くてニューゲーム」もあるので、ハマった人は2週目を楽しむことも。
Mortal Shell(モータルシェル)レビュー・まとめ
省くところを省き、磨けるところを可能な限り磨いた、モータルシェルはそんなゲーム。
完成された戦闘は操作していて楽しく、マニアックな難易度は高い達成感を味わうことができる。
AAAタイトルのような終わりのないボリュームはないが、たまにの休日にサクッとプレイするには丁度いい。
手応えのあるゲームをプレイしたいけど、クリアするのに100時間もかけるほど余裕がない。
そんな人にはモータルシェルはオススメのゲームと言えるだろう。