Meta(旧称Facebook)から発売されているMeta Quest 2(旧Oculus Quest 2)
バーチャルリアリティー(仮想空間)の体験が可能になる、まさに未来のデバイス。
しかし、VRという性質上、一般的な広告では魅力が伝わりにくく、購入までの踏ん切りがつかない人も多いのではないだろうか。
そんなことを考えながら私もなかなか手を出せずにいたんだけど、
なんと…
持つべきものは友、感謝感激である。
というわけで今回は、実際に1ヶ月ほどOculus Quest 2で遊んでみた使用感をレビューしていく。
Meta Quest 2(旧Oculus Quest 2)をレビュー
結論から言うと、今すぐVRを体験したいのであれば、価格・性能ともにMeta Quest 2は間違いなく最上の選択と言える。ただし、VR酔いやコンテンツ不足などの課題も残る、という感じ。
本記事では実際にMeta Quest 2で遊んでみて分かった「VRの課題」もまとめてみたので、購入しようか迷っている人の判断材料になれば幸いである。
Meta Quest 2(旧Oculus Quest 2)のファーストインプレッション
こちらが今回貸してもらったMeta Quest 2
無機質なデザインが近未来的。
オプションパーツが組み込まれており、箱出しの状態ではない点は注意してほしい。
概要
重量 | 503g |
---|---|
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 295.5×191.5×102mm |
ストレージ | 256GB / 128GB |
バッテリー | 約2~3時間 |
ディスプレイ | 液晶ディスプレイ |
解像度(片目) | 1832 x 1920ドット |
リフレッシュレート | 90Hz |
トラッキング | 6DoF |
オーディオ | スピーカー、マイク内蔵(3.5mmイヤホンジャック対応) |
プロセッサ | Snapdragon XR2 プラットフォーム |
RAM | 6GB |
IPD調整(瞳孔間距離) | 3段階調整(58、63、68mm) |
重さは550g(オプションパーツ込み・公表値は503g)と、VR機の中では平均的な重さ。
ヘッドバンドでしっかりとホールドしてはくれるけど、構造上どうしてもフロント部分へ重心はかかってしまう。
今回借りたモノも、ゴーグルがズレ落ちないよう後付けのヘッドバンドで対策がされていた。
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充電、またはPCに接続するには、左側面にあるUSB Type-Cポートへケーブルを接続する。
すぐ隣にはイヤホンジャックが配置されており、スピーカー以外にイヤホンでの出力にも対応。
右側には電源ランプと電源ボタン。
レンズ側はこんな感じ(後付けのシリコンカバーが取り付け済み)
ちなみに今回借りたMeta Quest 2もリコール対象だった…(笑)
まぁ画像にもあるように後付けのシリコンカバーが取り付けらており、特に問題なく使用することができたので気にしない。
すでに対策済みなので今から買う人は問題ないけど、中古品を購入する場合は一応注意したほうがいいかもしれない。
続いてコントローラー。
スティック、メインボタンとオプションボタン、あとはトリガーボタンがそれぞれ配置されている。
ボタン数が少し心もとない気もするけど、VRゲームの場合は仮想ボタンで何とでもできるので、あえて物理ボタンは減らしたのかもしれない。
エルゴノミクス的デザインでフィット感は抜群。
コントローラーは薬指と小指でホールドすることになるけど安定感も十分。
気になる場合は付属のストラップもあるし、アクセサリーのグリップバンドを取り付ければさらに安定したプレイも可能になる。
ワイヤレスは正義
Meta Quest 2の特徴といえば、ワイヤレスによるスタンドアローンシステム。
ゲーム機やPCと接続しなくてもMeta Quest 2本体へ直接アプリをダウンロードすることが可能で、煩わしいケーブルや外付けのセンサーも必要ない。
※SteamVRなど、一部PCと有線接続が必要になる場合もある。
引用:Amazon
とりあえずスペースさえあればいつでもVRを楽しむことができるため、VR体験へのハードルはかなり低い。
例えば別売りの充電ドックと一緒にリビングにでも置いておけば、いつでも手軽に仮想空間へ旅立てる。
「ゲーム機・PCの電源を入れる→VRを接続する」といった手間はいらず、タブレット端末のようにいつでも仮想空間へアクセスが可能。
このお手軽さはMeta Quest 2ならでは。
実際に遊んでみる
一通り外観チェックが終わったところでさっそく遊んでみる。
Meta Quest 2を装着し電源ボタンを押すと、こめかみ部分にあるセンサーが反応し起動する。
位置設定
前準備として、立って遊ぶのか座って遊ぶのか、移動範囲の設定など、仮想空間で遊ぶための環境を整えていく。
ワイヤレスとは言え、任天堂Switchやスマホアプリなんかと比べると、ひと手間かかるのは仕方がないところではある。
ただ、床の判定など、空間識別センサーの精度はかなり高く、初めてでも数十秒、慣れてくると数秒で設定は完了する。
VRに必要なスペースは?
VRで気になるのが遊ぶために必要なスペース。
これはゲームにもよるけど、ほとんどの場合座ったまま遊べるよう設定できるので、椅子から両手を広げられるスペースがあれば問題はない。
もちろん立って大きく動いた方が没入感も増すので、広いスペースのほうがおすすめではある…。
気をつけないといけないのが、よくリビングなんか置いてあるローソファーで遊ぶ場合。
ローソファーだと床との距離が近すぎるためか、ゲーム画面とのリンクが上手くいかなかった。
座って遊ぶのであれば、しっかりと膝を曲げて座れる椅子を用意すること(肘置きもないほうが快適にプレイできる)
こちらは我が家でも使っている、コスパ最強のダイニングチェア。
部屋の隅に置いておいても外観を崩しにくいデザインがお気に入り。
仮想空間のチュートリアル
友人から「まずはチュートリアルから遊んでみて」との進言を受け、目の前に広がるメニューボードからチュートリアルを選択。
チュートリアルではMeta Quest 2の基本的な操作を体験していく。
専用に作られているだけあって完成度はかなりのもの(画像では伝わらないけど)
まるで映画「サマーウォーズ」に登場した仮想空間、OZの世界に迷い込んだような感覚。
言われるがままにコントローラーを操作していく。
積み木を掴んで投げ飛ばしたり、目の前のスイッチを連打したり、現実世界では何でもないことが何故かここでは楽しくなってくる。
摘む、握るのアクションを2つのトリガーだけで表現しているんだけど、特に違和感もなく直感的に操作することができて気持ちがいい。
その後もインストール済みのゲームをいくつかと、PCへ接続してSteamVR(有線)のゲームをプレイ。
1ヶ月ほどMeta Quest 2を堪能させてもらうことになった。
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Meta Quest 2はコスパが良すぎる
引用:Amazon
今回の体験はまさしくアトラクションと呼ぶに相応しく、これが5万円以下で体験できるのだからすごい時代になってしまった。
VRが登場してからしばらくが経つけど、Meta Quest 2のこの価格、このお手軽さこそVRを体験する最高のタイミングと言える。
逆にこれ以上のコストをかけたり、これ以下のクオリティで遊ぶのはまだ少し早い。
VRと言うよりも、Meta Quest 2で得られる体験がとにかく素晴らしいのだ。
VRの課題
以上のように、Meta Quest 2は自信を持ってオススメできるデバイスとなっている。
しかし、VRという環境にまだまだ発展途上の部分が見受けられるも事実。
というわけでVRが抱える課題についてまとめてみたので、購入しようか迷っている人は参考にしてみてほしい。
課題 ヘビーゲーマーでも耐えられないVR酔い
いわゆるゲーム酔い。
これは体質の問題もあるのでデメリットとして挙げるのもどうかとは思うけど、ある程度の覚悟は必要。
私の場合はすべてのVRゲームがVR酔いを誘発したわけではなく、実際に気持ちが悪くなったのはSteamVRの「Half-Life Alyx」というゲーム。
このHalf-Life Alyxを歩行移動でプレイ、つまり従来のFPSゲームのような左スティックで移動、右スティックで視点移動という方法でプレイしたんだけど、
ちなみに移動方法をワープ移動(ポインターで場所を選択するとそこへ瞬間移動する方法)でプレイすると、VR酔いはかなり軽減することができた
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ただ、個人的にこのワープ移動というのが没入感を下げて仕方がない。
Half-Life Alyxのようなフォトリアル系のゲームだと特にだけど、非現実的な移動は違和感が大きく、「あぁゲームだなぁ」と没入感が削がれてしまう。
体のメカニズム的に仕方がない部分でもあるので、VR(ハード)側よりもゲーム(ソフト)側の課題と言えるかもしれない。(例えば、主人公が瞬間移動の能力を持つという設定など)
どちらにせよ、もし『Half-Life Alyx』や『Fallout 4VR』といった移動・探索がメインのVRゲームを遊びたいのであれば、ある程度の妥協は必要になるかもしれない。(ワープ移動が気にならないなら今すぐ買いでOK)
課題2 パーティーゲームのようでパーティーゲームではない
VRと聞いたら、普段ゲームに興味がないような人でも一度は試していたいと思うのではないだろうか?
例えば友達の家に行って、もしVR環境があればちょっとお試しで遊びたいと思うし、逆に友達が家に来たときは遊んでみてほしい、そう思わせる魅力がVRにはある。
任天堂みたいなファミリーゲーム機として、みんなで集まってワイワイと楽しめそうな気がするんだけど、実際VRで遊んでみると
当然といえば当然、VRを楽しめるのはゴーグルを装着した人だけで、それ以外は置いてけぼりをくらってしまう。
ホラーゲームなど一定の需要はあるとしても、夕食のあとにリビングに集まって家族で楽しむような、そこまでのコンテンツ力はない。
Switchをはじめ日本ではファミリーゲームの需要が大きく、同じお金を払うなら大人数で共有できるほうが売れやすい。
複数持ちできるくらいコストを下げられたらいいけど、それが難しいのなら、何かしら周りと楽しさを共有できるコンテンツが必要になるだろう。(これも一匹狼だと関係ないので即買いでOK)
Meta Quest 2(旧Oculus Quest 2)をレビュー【買いたい時に買うべき】
VRというのはテーマパークのジェットコースターと一緒で、実際に自分で体験してみないとその驚きや楽しさは理解できない。
今回紹介した「VRの課題」以外にも、Oculus Quest 2本体の改善点として、
・重量
・バッテリー
・コスト
など、伸びしろがあるにはある。
これからもブラッシュアップされてはいくだろうけど、次を待っていたら一生買えないのは家電と一緒。
どのタイミングで買えばいいか悩んでいるのであれば、
と言えるだろう。
ちなみにだけど、この手のガジェットは自分で買うのはなかなか勇気がいるので、ゲーマのパートナーがいる人はプレゼントにしてあげると喜ばれるかもしれない。(責任は持たないけど)