「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」をレビュー【惰性でどこまで走り続けるのか?】

AmazonPrimeで配信中の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を鑑賞したので、早速レビューをしていく。

忖度なしで「良かったところ・悪かったところ」を紹介していくので、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の評価が気になっている人は参考にしてみてほしい。

※前情報として、過去の映画シリーズは鑑賞済み。
※本記事にはネタバレ忖度なしの感想が含まれています。

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』をレビュー【65点】

ワイルド・スピードのシリーズも今回で9作目。

途中、衝撃的だったファミリーの離脱も乗り越え、なんとかシリーズを継続してきたけど、

そろそろ限界の予感…

ターミネーターやソウ/SAWシリーズのように、ズルズルと沼に引き込まれて、後戻りできなくなってきている。

個人的にはそろそろ思い切った決断をしてもらいたいと願いつつ、まずは『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の悪かったところを紹介していく。

テンプレ化が進むワイルド・スピードシリーズ

宿敵に追い込まれる前半から、中盤の観光地ストリートレース。

そして、余った予算をすべてつぎ込むクライマックスのカーチェイス。

制作費が大きくなると失敗したくない気持ちもわからないでもないけど、流石に過去シリーズの焼き回しが酷い。守りに入りすぎている。

まるで毎年恒例の年末バラエティー番組状態。

安定感は抜群だけど、「またこれか」の演出が最後まで続く。

かつてメインだったストリートレースも、いまや苦笑いする始末。

古株のファンを捨てて、新しい世代のファンを取り込むのであれば、今の焼き回しスタイルでもいいかもしれない。

だが、本作には過去シリーズの脇役たちがここぞとばかりに登場する。

そのため、初見さんお断り状態になっており、結果的に誰も楽しむことができない映画になってしまった。

既視感のあるカーチェイス

戦闘機に追い回されたり、車が空を飛んだりと、相も変わらず派手な演出が楽しめる本作。

ただ、ワイルド・スピードらしさがあるかと言われれば、そうでもない。

むしろ派手さで勝負した場合、流行りのヒーロー映画を見た後では、物足りなさを感じるくらいである。

最近では本作のような車メインの映画でなくても、それなりのカーチェイスシーンは簡単に見ることができる。

とにかく爆発シーンを見ないと満足しないファンもいるとは思うけど、個人的にはもっとワイルド・スピードでしか見られない演出が見たいところである。(まぁ前作の車の雨のシーンみたいなのも面白いけど)

強くなりすぎたドムファミリー

田舎町のストリートレーサーだったのが、今やスーパーカーで世界を駆け巡る主人公のドムとその仲間たち。

シリーズを追うごとに映画のスケールも大きくなり、それと同時に主人公たちのレベルも上がってきた。

ジェイソン・ステイサムやシャーリーズ・セロンなど、錚々たる悪役を退けることにも成功。

一生遊んで暮らせるほどの財産を築き、世界の諜報員を恐れさせるハッカーやエンジニアも仲間に加わった。

魔王はすでに討伐済み。

伝説の装備で身を包み、暇つぶしにやりこみ要素を消化する…

まさに、レベルがカンストした勇者さま御一行状態である。

シリーズを通してファミリーの絆を重んじるドムだけど、問題の解決方法が莫大な資金と力技ではどうしても説得力に欠けてしまう。

本作で登場するジョン・シナも、宿敵を演じるには十分なカリスマがあるものの、チート状態のドムファミリーの前では霞んで見える。

「北斗の拳」よろしく、後付け感満載の設定も、もはやジョーク。しかもスベっている。

ここまで来ると、あとはハリウッドお決まりのリブートまで秒読みといったところか。

ただ、リブートしたとしても予算をCGと爆発に回してばかりでは、結局同じ轍を踏みそうではある。

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の良かったところ

それでは続いて、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の良かったところを紹介していく。

飽きていなければ楽しめる

先述の通り、本作は過去作の焼き回しなので、良くも悪くも安定した面白さがあるのは間違いない。

キャストやストーリーは二の次、兎にも角にもスーパーカーやマッスルカーが派手に吹き飛ぶ様を見たいのなら、本作は間違いなく目の保養になる映画である。

前作のゾンビカーほどではないにしても、終盤の磁力制御装置を使ったカーチェイスはなかなかに良かった。

車を空から降らせたり、潜水艦と氷上でカーチェイスを繰り広げたり、毎回斬新なネタを考えないといけない製作者の苦悩を思うと、ここは一緒に楽しんであげるべき。

「なるほど、今回はそうきたか。」と、骨組が変わらないなら、微妙に変化する肉付け部分を探していくのも、本シリーズの楽しみ方と言える。

正義は必ず勝つ、王道ストーリー

失敗したら世界が終わるレベルのミッションなのに、見ていて全く緊張感を感じないのも素晴らしいポイント。

どんな危機的状況からも、車一つで切り抜けてしまう安定感。

本当だったら細かなツッコミどころが多すぎて脳みそが焼き付いてしまうところだけど、すでに視聴者は「ドムファミリーは何でも出来る」と洗脳されているので、大体のことは許される。

主人公たちがどんなに焦っていても、家族揃って笑いながら鑑賞できる映画を探しているなら本作はマストな選択となる。

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』をレビュー・まとめ

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の個人的レビュースコアは60点。

あとは、最後に登場したGT-Rにプラス5点。

いまさらアンダーネオンを光らせた改造車でストリートレースをしても、ファンが満足しないのはまぁ分かる。

ただ、原点回帰が難しいのであれば、これからは守りに入るんじゃなくて、どうせだったらゼロヨンの如くフルスロットルでぶっ飛んでほしい。

いっその事、ワイルド・スピード版デロリアンでも登場させて、未来や過去で暴れたり、一回くらい世界を滅亡させて、世紀末の荒野から再スタートするのもいいんじゃないかとも思ったりする。

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