Amazon Primeで配信中の『DUNE/デューン 砂の惑星』を鑑賞したので、さっそくレビューをしていく。
今回も忖度なしでレビューしていくので『DUNE/デューン 砂の惑星』の評価が気になっている人は参考にしてみてほしい。
※本記事にはネタバレ・忖度無しの意見が含まれています。
『DUNE/デューン 砂の惑星』をレビュー【70点】
本作は、フランク・ハーバートのSF小説「デューン 砂の惑星」原作とする、二部作の一作目となる。
今回、ほとんど前情報なしで映画を鑑賞したんだけど、原作の知識がない状態だと
特に序盤。
ご丁寧に補足説明をしてくれるようなキャラはいないので、全部自分で話を噛み砕いていく必要がある。
原作ファンなら問題はないだろうけど、初見から本作を芯まで楽しむのであれば、前もっての予習は必須。
物語のキーとなる「スパイス」の効果や、主人公が会得しているボイスと呼ばれるチート能力など、とにかくすべてが知ってて当たり前のスタイルで話が進んでいく。
わかってしまえばシンプルな設定も多いので、事前にあらすじくらいはチェックしていたほうがよかったかもしれない。（ネタバレを気にするような映画でもなかったし）
休日に嗜む映画
私の中で「雨の日の休日に観たい映画」と言うのがあって、この『DUNE/デューン 砂の惑星』も、まさにそんな映画の一つ。
晴れた日にスナック菓子を食べながら観るんじゃなくて、雨の日にコーヒーでも飲みながら一人でじっくりと観る。
例えばデヴィット・フィンチャー監督の『セブン』『ドラゴン・タトゥーの女』や、本作と同じドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー 2049』なども同じ。
ダークで時にはグロテスクな要素を含みつつ、でも何故か落ち着くことができる、そんな大人向けの映画である。
※ちなみに本作については、目を背けたくなるようなグロテスクなシーンや、ベッドシーンもないので、一応家族で鑑賞することもできる。（前半で何人かは脱落していくだろうけど）
マニアックでスペクタクル
さて、そんな大人向けの映画である『DUNE/デューン 砂の惑星』、序盤こそ話を飲み込むのに苦労するけど、中盤以降は怒涛のスペクタクル映画へと変貌を遂げる。
政治的な読み合いが続く序盤に対して、中盤からは登場人物の行動がすべてアクションシーンへと繋がっていくため、とにかく飽きがこない。
サンドワームが襲い来る採掘機の救出シーンや、ハルコンネン軍の奇襲による空爆など、壮大な規模で描かれる演出には圧倒される。
音響も素晴らしいので、できるだけ大音量で楽しみたいところ。
本来であれば、映画館で本領を発揮する映画なんだろうけど、今回はこの映画をできるだけ楽しむために、わざわざ眠っていたサラウンドヘッドホンを引っ張り出してきたりもした。
5年ほど前に購入をしたSONYのサラウンドヘッドホン「MDR-HW700」 賃貸でも大音量でサラウンド体験ができるため、映画鑑賞やゲームには欠かせないガジェットである。 ただ、長年愛用しているうちに少しずつ痛みが見られるようにな[…]
醜く太った容姿で空中を浮遊するハルコンネン男爵や、羽ばたき機と呼ばれる4枚羽の飛行機など、どこか日本のアニメを彷彿とさせる世界観もオタク心をくすぐってくる。
また、先述のサンドワームが襲い来る採掘機の救出シーン。トンボのような見た目から、一見頼りなさそうな羽ばたき機が、羽を閉じて急加速するシーンは必見。ここから物語も急速に発展していくため、まさに映画のエンジンがかかる瞬間である。
砂に覆われた世界や、オームを彷彿とさせるサンドワームなど、設定が「風の谷のナウシカ（宮崎駿監督）」にも似ているという話をよく聞くけど、個人的には押井守監督の「イノセンス」や「スカイ・クロラ」を思い出してしまった。
砂嵐や巨大な建造物の中を、ちっぽけな戦闘機が旋回、飛行するシーンがそう思わせるのかもしれない。
どちらにせよ、どこかアニメ的でちょっと懐かしい、そんなマニアックな世界観を堪能できる映画と言える。
続編ありきの脚本
冒頭のタイトルに「パート１」とあるように、本作は二部作構成の前編となっている。
原作を知らないので何ともではあるんだけど、本作だけでは回収しきれていない伏線が多く、そこは少々ストレスだった。
とくに主人公の予知夢の演出。全貌が見えない割にカットが多すぎて、話のリズムが狂ってしまっている。
次回への伏線だとしても、現状はただ情緒が不安定な人になってしまって、見ていて疲れてしまう。
もう少し予知夢の必然性を描くか、もっと別のことに時間を使ってもよかった気がする。
『DUNE/デューン 砂の惑星』をレビュー・まとめ
『DUNE/デューン 砂の惑星』の個人的レビュースコアは70点。
序盤のハードルは少々高いものの、後半から巻き返しを図る映画となっている。
リピートしたくなるマニアックな世界観もGOOD
続編の展開次第ではもう少し点数が上る可能性もあるけど、1本の映画としてみると人を選ぶ作品であるのは間違いない。
設定が埋もれているだけで、実は結構シンプルな話だったりもするので、一度鑑賞した後に設定や考察をググって、もう一度観てみると最初とはまた違った目線でも楽しめるはず。
面白そうで観てみたけどイマイチ楽しめなかったって人は、騙されたと思ってもう一度鑑賞してみてもいいかもしれない。