乾燥の季節、暖房(エアコン)をつけたまま寝ていると、次の日喉が苦しい。
日中はとくに気にならないんだけど、
そんな乾燥の悩みを解決するべく、今回は寝室用の加湿器を探してみることにした。
気になる加湿器のスペックを比較しつつ、自分にあったものを探していきたいと思う。
加湿器を買おうと思っているんだけど、種類も多くて値段もピンキリ。どれを買えばいいか分からない!って人も参考にしてみてほしい。
寝室用に加湿器を探してみた
今回加湿器を探すにあたって、いくつか条件をまとめてみた。
加湿器を探す条件
・用途は寝室用(15畳の洋室)
・暖房(エアコン)と併用するので、ランニングコストは出来るだけ下げたい。
・お手入れの回数が少なく、そして楽にできるもの。
・予算は2万円ほどで、安かろう悪かろうは避ける。
ざっとこんな感じ。
特に加湿器を使う部屋の大きさは事前に調べておいた方がいい。
それぞれ加湿器ごとに加湿容量が決まっているので、部屋の大きさに対して容量が足りないと加湿効果が下がってしまう。
あとはランニングコストも気になるところ。
体のためとは言え、お財布に優しくないと安心して眠れないかもしれない(THE・貧乏性)
以上を踏まえて、できるだけ条件を満たしてくれる加湿器を探してみることにした。
加湿器の種類と特徴
加湿器と言っても、スチーム式や気化式など、様々な加湿方法が存在する。
加湿器の種類
1. スチーム式
2. 気化式
3. 超音波式
4. ハイブリット式
知っている人は知っている、でも気にしない人は気にしない加湿方法。
それぞれ種類ごとにメリット・デメリットがあるので簡単にまとめてみた。
- 加湿器のメリット・デメリットはここをクリック
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1. スチーム式加湿器
スチーム式のメリット
・加湿能力が高い。
・水を沸騰させるため雑菌が繁殖しにくく衛生的。
・加熱された水蒸気で加湿するので、室温も上げやすい。スチーム式のデメリット
・ランニングコストが高い。
・吹き出し口が熱くなるため、取り扱いに注意が必要。スチーム式の場合は、水を沸騰させることで加湿をしていく。
そのため雑菌が繁殖しにくく、加湿効果も高いのが特徴。
ただし、水をヒーターで温めるため、ランニングコストが高いのがデメリットとなっている。2. 気化式加湿器
気化式のメリット
・ランニングコストが低い。
・フィルターを通して加湿するため衛生的。
・水の粒子が小さく結露ができにくい。気化式のデメリット
・加湿能力が低い。
・定期的なフィルターの手入れ(交換)が必要。気化式は加湿フィルターに水を含ませて、そこへ風を当てることで蒸気を発生させる。
ヒーターを使用しないためランニングコストが低いけど、その分加湿効果は低めとなっている。
また、加湿フィルターの手入れや交換も必要なのは注意が必要かも。3. 超音波式加湿器
超音波式のメリット
・構造がシンプルで本体価格が安い。
・ランニングコストが低い。
・おしゃれなデザインが多い。超音波式のデメリット
・雑菌が繁殖しやすいため、定期的な手入れが必要。
・過加湿になりやすい。
超音波式は、超音波の振動を使って水を霧状にして加湿をしていく。
本体価格が安く、ランニングコストも低いのが特徴。
ただし、蒸気で加湿するわけではないので、過加湿になりやすく、手入れを怠ると雑菌が繁殖しやすいので注意。4. ハイブリット式加湿器
ハイブリッド式のメリット
・気化式よりも加湿能力が高い。
・スチーム式よりもランニングコストが低い。
・フィルターを通して加湿するため衛生的。ハイブリッド式のデメリット
・本体価格が高い。
・スチーム式よりも殺菌能力は低い。ハイブリット式は加湿フィルターへ水を含ませて、温風を当てて加湿をしていく。
気化式と違い、ヒーターで温めた風を当てるので加湿効果が高い。
が、その分ランニングコストと本体価格は高めとなっている。
人気は超音波式?
人気なのはやっぱり超音波式だろうか。
アロマによる香り付けが出来たり、見た目のインパクトもあるため、ドンキや大型モールなどで看板商品として飾られているのをよく見かける。
本体価格が安くて、しかもランニングコストも低いとあれば、それは確かに人気になるのも分かる気がする。
超音波式は水を加熱せずフィルターなども介さないため、他に比べると雑菌が繁殖しやすい。
今回は寝室用に加湿器を導入するのが目的なので、喉の保湿(健康管理)が第一優先。
雑菌を吸っていたのでは本末転倒になってしまう。
と言うわけで、今回は超音波式は選択肢から除外することにした。
ハイブリット式がいいかも。
次に気になったのがハイブリット式と言われるタイプの加湿器。
水を沸騰させるスチーム式に比べてランニングコスト(電気代)が安く、気化式よりも加湿効果が高いのが特徴。
超音波式と比べると価格が一桁違ってくるけど、個人的に加湿器と言えばこれくらいの価格はするイメージ。(超音波式が安すぎる気がする)
スチーム式みたいに水を沸騰させるわけじゃないけど、フィルターを通して加湿されるので超音波式に比べて衛生的。
それに海外メーカーが乱立する超音波式と比べて、日本製の大手メーカーの商品が目立つのも安心材料と言える。
そんなわけで、今回はハイブリット式を中心に寝室用の加湿器を探してみることにした。
おすすめ加湿器・3選
今回紹介する加湿器が次の3つ。
シャープ / HV-L55
ダイニチ / HD-RX500A
パナソニック / FE-KXU05
シャープとダイニチがハイブリット式で、パナソニックは気化式の加湿器。
それぞれ特徴をまとめてみることにする。
製品名 | HV-L55 | HD-RX500A | FE-KXU05 |
---|---|---|---|
メーカー | シャープ | ダイニチ | パナソニック |
加湿面積(畳) | 和室 9 洋室 15 |
和室 8.5 洋室 14 |
和室 8.5 洋室 14 |
消費電力(w) | 強 190 静音 12 |
標準 163 静音 161 エコ 12 ターボ 170 |
強 8 中 6.5 弱 5.5 静音 4 お急ぎ 11 |
加湿量(ml/h) | 強 550 静音 200 |
標準 500 静音 400 エコ 370 ターボ 570 |
強 500 中 420 弱 330 静音 150 お急ぎ 600 |
運転音(dB) | 強 37 静音 23 |
標準 30 静音 23 エコ 30 ターボ 35 |
強 36 中 31 弱 22 静音 15 お急ぎ 36 |
タンク容量(L) | 4.0 | 5.0 | 4.2 |
※数値はそれぞれ公式HPより引用。
※ここからは製品名を省略してそれぞれメーカー名で記載することにする。
今回は我が家の寝室(洋室15畳)をカバーできる中型のグレード(容量)をチョイス。
ダイニチとパナソニックの対応面積がプレハブ洋室14畳とギリギリ足りないけど、スペックの公平性を保つために目をつぶることにした。
余裕を持った加湿をしたい場合はワンランク上のタイプも選択肢に入るかなと。
消費電力は気化式がやっぱり低い
メーカー | シャープ | ダイニチ | パナソニック |
---|---|---|---|
消費電力(w) | 強 190 静音 12 |
標準 163 静音 161 エコ 12 ターボ 170 |
強 8 中 6.5 弱 5.5 静音 4 お急ぎ 11 |
消費電力については、ヒーターを使うハイブリット式に比べて、気化式のパナソニックが低くなっている。
しかも加湿量が他と比べて特別低いわけではなく、お急ぎモードにすれば加湿量はトップとなる。
純粋にこの中からランニングコストで選ぶならパナソニック一択となりそう。
ただし今回は寝室用の加湿器なので、運転音が低めの「静音モード」もしくは「エコモード」がメインになってくると思われる。
パナソニック以外の製品もエコモードにすればかなり消費電力は抑えることができる。
そう考えると、ランニングコストについてはどれも合格点と言える。
加湿量だとダイニチが優秀
メーカー | シャープ | ダイニチ | パナソニック |
---|---|---|---|
加湿量(ml/h) | 強 550 静音 200 |
標準 500 静音 400 エコ 370 ターボ 570 |
強 500 中 420 弱 330 静音 150 お急ぎ 600 |
通常運転(もしくは強以上)の加湿量を見ていくと、ぱっと見はどれも一緒。
ただ、静音・エコモードだとダイニチが頭一つ優れている。
もちろんそれに比例して消費電力も高くなるんだけど、エコモードにすれば加湿量を維持したまま消費電力を抑えることができるみたい(どんな作りだ…?)
静音・エコモードでもしっかりと加湿をしたい場合はダイニチが有力候補となる。
運転音は30dB以下がおすすめ
メーカー | シャープ | ダイニチ | パナソニック |
---|---|---|---|
運転音 | 強 37dB 静音 23dB |
標準 30 静音 23 エコ 30 ターボ 35 |
強 36 中 31 弱 22 静音 15 お急ぎ 36 |
寝室で使うからには運転音はやはり気になるところ。
見ていくとパナソニックの静音モードが15dBと一番低く、あとはどれも20dB〜と大きな違いはなさそう。
ただ、パナソニックの静音モードは15dBと運転音が小さいけど、加湿量も150ml/hと低くなっている点は注意が必要。
ちなみに目安として、30dBだと「深夜の郊外の環境音」や「人のささやき声」くらいの音量。
20dBだと「人の寝息」程度なので、今回チョイスした加湿器だとどれを選んだとしても寝室で使うには問題ないスペックと言える。
スペックについてはどんぐりの背比べ
以上、公表スペックを元に比較をしてみた。
正直どれも必要最低限のスペックは満たしていて、どれを選んだとしても十分な加湿効果を得られると思われる。
プラズマクラスターやナノイーなど、メーカー独自の特長がないわけでもないけど、これも恐らく体感ではわからない世界。
というわけで、次は定期的に必要になる加湿器の給水方法とお手入れについて調べていく。
シャープの「どっちも給水」が柔軟性が高くていいかも
加湿器を使うシーズンは、タンクへの給水をほぼ毎日することになるだろうから、給水方法のストレスが大きいと致命的。
引用:シャープ
それぞれ給水方法を見ていくと、ダイニチとパナソニックがよく見るタンクタイプなのに対して、シャープがバケツタイプと珍しい形になっている。
引用:シャープ
しかも加湿器本体の上部から直接給水もできる「どっちも給水」を搭載。
タンクの取り外しが面倒くさいって人に持ってこいと言える。
タンクタイプは給水場所を選ぶ(タンクを斜めにしないと蛇口が入らなかったりする)こともあるから、柔軟性の高いシャープがストレスは少なくていいかもしれない。
お手入れがしやすいのはどれ?
次にお手入れについて。
ハイブリット式(と気化式)の場合、フィルターを介して加湿するため超音波式と比べると雑菌は繁殖しにくい。
ただ、それでも水を沸騰させたりするわけじゃないから、最低限のお手入れは必要。
お手入れ箇所としては、主に給水タンクと加湿フィルター。
それぞれ比較をしながら見ていくことにする。
給水タンクのお手入れ
フィルターを通すとは言え、やはり給水タンクは清潔な状態にしておきたい。
それぞれ給水タンクのお手入れ方法をチェックしていく。
引用:シャープ
シャープのタンクは先述の通りバケツ型となっていて、パッと見た感じお手入れは簡単そう。
フィルターが直付けされているのが気にはなるけど、菌を抑制するためのイオンカートリッジも一緒に設置されているので、そもそもそこまでお手入れをする必要もないのかもしれない。
引用:ダイニチ
続いてダイニチの給水タンク。
公式HPでは「広い給水口でお手入れが楽」と謳ってはいるけど、この画像を見る限りどうみても楽ではなさそうである。
作りがシンプルなのは好感が持てるけど、腕が入らないとストレスは大きい気がする。
ちなみにダイニチのタンクも、キャップ部分に雑菌の繁殖を抑えてくれる抗菌アタッチメントが付属する。
引用:パナソニック
そしてパナソニック。
シンプルイズベスト、完璧である。
CGっぽいので信ぴょう性は低いけど、画像を見る限りはダイニチよりお手入れがしやすそう。
フィルターの交換時期は?
給水タンクの次は、加湿器を衛生的に使うのに欠かせない加湿フィルターについて。
フィルターの交換頻度などはそのままランニングコストへ直結するから、事前に把握はしておきたいところ。
メーカー | シャープ | ダイニチ | パナソニック |
---|---|---|---|
フィルター交換時期 | 1日8時間の使用で約48カ月 | 1日8時間の使用で約30カ月 | 10年交換不要 ※月1回、水で押し洗いが必要。 |
メーカーごとに見ていくと、シャープの抗菌加湿フィルターが1日8時間の使用でやく48ヶ月。
ダイニチの抗菌フィルターが同じく1日8時間の使用で、30カ月が交換の目安。
パナソニックのフィルターは「長寿命加湿フィルター」となっていて、約10年間は交換が不要らしい(ただし、月に一回ほど水で押し洗いをする必要がある)
1年のうち6ヶ月使用するとして、5年~10年は交換する必要がないと考えると、一番交換時期が短いダイニチを選んだとしても、そこまでランニングコストは圧迫しないはず。
ほとんどの場合、フィルターの交換時期と同時に加湿器の買い替え時がくると思われる。
毎日使うものならストレスが少ないものがおすすめ
さて、今回は寝室用に探してみたわけだけど、3つのメーカーからハイブリット式を2つ、気化式を1つ紹介してみた。
いろいろと比較をしてみたんだけど、数値的なスペックはそこまで大きな違いはないように思える。(特に就寝時に使う場合は)
選ぶ基準はやはり給水とお手入れの方法だろうか。
フィルターの交換時期は短く見積もっても(1日8時間で毎日使ったとしても)30ヶ月以上はもつので、正直気にしなくていいレベル。
それよりは定期的に必要な給水と本体の清掃にストレスを感じないかが大事。
あと大きさもそこそこあるので、デザインで選ぶのもあり。
加湿器としての性能で見れば、今回紹介した3つならどれを買っても失敗はしないはず。
あとは自分が毎日使ってみて一番ストレスを感じにくそうなものを選ぶのをおすすめする。
ちなみに後日この中から実際に加湿器を買ってみたので、そちらのレビュー記事も公開予定。気になる人はチェックしてみてほしい。